第39話少年期[29]大した十歳

リルが放った火の槍とマーレルが放った水の槍が融合した魔法と、ブラッソの魔力で覆われた手がぶつかり、森に響き渡るほどの衝撃音と爆風が起きた。


ゼルートは、自分達の近くにいた動物たちが逃げていくのが分かった。


(というか魔物さえ逃げ出しちゃってるけどな。ほんっと、なんて威力だよ。てかとっさに、ゴーグル着けておいて良かったわ。砂煙で前がマジ見えないな。にしても・・・・・・あの二人だけじゃなくて男二人も中々やるじゃないか。特に・・・スレンは才能が頭一つ抜いているな)


二人の魔法とブラッソの手が当たり砂煙が起きた瞬間、ゴーランとスレンが動き出した。

二人はダッシュでブラッソの後ろに回り込み、走りながらスキルを発動した。


「はあああああぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!」


「うおおおおおおおおらあああああああああ!!!!!!」


スレンは細剣術のスキルで得られる、剣の横に二つの剣の刃を生み出す三連突きを。ゴーランは剣術スキルで得られるスピードを剣の威力に加える、ダッシュブレイクを放った。


ここでゼルートは、隙を突くためにわざわざ後ろに回ったんじゃないの!? そんな大声出したら意味なくないか!!?? とツッコミたいがそれをぐっと抑えた。


それとは別に二人の剣にゼルートは意識が集中した。


なんとゴーランの剣には魔力が覆われており、スレンの剣には雷の魔力が纏っていた。


(・・・・・・・・・・・・いいじゃねぇか。まさに限界を超えた一撃ってやつだ。いいぞ、すげえじゃねぇか二人とも!!!!!! さいっこーーーーにかっけーーーぞ!!!!!)


そして二人の己の限界を超えた一撃は確かに決まった。決まったが・・・・・・


「サスガダナ。イイイチゲキダ。オレガサイキンチヲナガスノハ、ゼルートタチイライダ」


剣が当たった部分が少し血をながしただけだった。


最後に攻撃を決めた二人は限界が来たのか、崩れ落ちるように地面に倒れた。


「くっそお、おお・・・俺はまだ・・・・・・」


「くっ、・・・・・・壁は・・・とんでもなく厚いね・・・・・・」


二人は悔しさをつぶやきながら地面に倒れ、気を失った。

リルとマーレンの方を見ると、二人とも魔力を使い切ったせいか気を失って倒れていた。


(・・・・・・四人とも俺が言うことじゃないけど、十歳にしては大したもんだな)


「ゼルート、オマエノトモハ、ナカナカノチカラノツヨサトココロノツヨサヲモッテイルナ。アトジュウネンホドモスレバ、オレトイイタタカイヲデキルダロウナ」


俺はブラッソの言葉を聞き、確かにその可能性はあるかもしれないなと思ったが、ふと別の事を思いブラッソに聞いた。


「なぁ、ブラッソ」


「ナンダゼルート」


ブラッソは四人の強くなった未来を想像しているのか口角が上がっていた。


「ブラッソはこれからも強くなるつもりなんだよな」


「アア、モチロンダ。コノイノチツキルトキマデツヨクナルツモリダ」


「なら十年後も同じような結果になるんじゃないのか????」


「・・・・・・・・・・・・・」


(まぁ、成長のスピードは四人の方が一定までは速いだろうからもしかしたらはあるなだろうな)


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