第38話少年期[28]………やるな

四人とも次が最後の攻撃、ってところのようだ。


今もリルとマーレルが魔法の詠唱を行っている。さっきまでなら、ブラッソが誰かが詠唱に入るとそれを妨害しようと行動に移していたが、今はその場を全く動こうとしなかった。


四人は色々と警戒している様だが、俺は今回の四人の攻撃を一切避けようとはしないと思っている。

完全に攻撃を受けきるつもりだ。


そして二人の詠唱が終わりブラッソに向けて二つの魔法が放たれた。


「ファイヤーランス!!!!」


「ウォーターランス!!!!」


リルがファイヤーランスを、マーレルがウォーターランスを放った。

二人が放った魔法は魔法の難易度でいうと、中級に当たる魔法だ。

十歳でこれらの魔法を使えるのは、魔法の才能が相当高い者か王族や貴族で幼いころから専門の教師に教えてもらっているような者しかいないだろう。


二人が放った魔法に、ブラッソも感心した様子を浮かべていた。ブラッソに人間のあれこれはいまいちわからないが、今まで戦ってきた冒険者を基準に考えると中々凄いということが分かった。


だが、俺とブラッソはもう一度二人の攻撃に驚くことになった。


「・・・・・・・・・・・・はあああああ!!!???? 嘘だろ!!!!」


「・・・・・・・・・・・・コレハ・・・・・・サスガニオドロイタナ」


俺は口を大きく開け、ブラッソは眼を大きく見開き目の前の出来事に驚いた。


なんとリルが放ったファイヤーランスとマーレルが放ったウォーターランスが混ざり合い、火と水が融合した槍となった。


(確か二つの魔法が合体する・・・・・・ユニゾンマジックだったけ。前に母さんに教えてもらったけど、才能がある魔法使いの中でも、本当にかぎられた人にしか使えない技術だったよな。二人で使う場合には二人の息が相当合ってないと使えない筈だった。いや、そこは幼馴染だからってことでまぁ、一応説明がつくかもしれないけど・・・・・ははっ、こりゃ将来二人とも大物になるかもな)


魔法の中には二つの属性が混ざっている魔法もあるが、その魔法とは比にならない威力になる。

たとえば攻撃魔法の中でも初歩的なボール系の魔法。もちろん威力は魔法を使う人物によって異なるが、二つのボール系の魔法が融合すると威力は中級魔法の上位にまで上がるらしい。


ブラッソは先程までは無防備に攻撃を受けようとしていたが、手を前にだし手に魔力を纏わせた。

今回の戦いの中で初めて見せる防御態勢だ。

それだけ今回の攻撃は威力が高かったのだろう。


そして魔法がブラッソの魔力で覆われた手に当たり大きな衝撃音と爆風が起きた。




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