第34話少年期[24]四人の先生

長い森の中を二時間程走り続けて、ようやくブラッソがいつもいる場所が見えて来た。

ちなみにここまでに来る間、魔物には一体も会っていない。

何故かというと威嚇というスキルで、リル達にばれないように周りに威嚇を発動しているので、よっぽどバカな魔物以外は寄ってこなかった。寄ってくるバカも今の俺達の移動速度には、ついてこれないので結局闘うことはなかった。


ちなみに自慢ではないが、生まれてから色々と鍛え続けた俺はA、Bランクの魔物とは相性にもよるが、一対一でならある程度戦え、本気を出せば多分勝てると思う。

それにスキルの魔装を使えば、Sランクの魔物とも数分なら戦えるだろうとラガールに太鼓判を押された。

そんな俺が威嚇を使っているわけなので、賢い魔物は俺に戦いを仕掛けようとは思わなかったようだ。


「お、いたいた。おーーーいブラッソーーーー」


俺は大剣で素振りをしているブラッソを見つけると声をかけた。

俺の声に気づいたブラッソは素振りをいったん止め手を上げこちらに向かってきた。


「ヨクキタナゼルート。キョウモラガールドノヤゲイルタチトトックンカ?」


ブラッドオーガのブラッソが俺に話しかけているのを見た四人は、相手との力量差を本能的に理解したのか体がもの凄い震えていた。

震えていたが全員武器を構え、戦えるようにしていた。


その様子を見た俺とブラッソは四人の対応に感心していた。


(へーーーー、思っていたよりもやるな。というか度胸があるな。普通なら実力が分からない奴でも、ブラッソを見ただけで失禁してもおかしくないレベルなんだけどな。いや、力量差がわかったら余計に失禁してしまうか。

ま、とりあえず恐怖で体が動かなくなって、戦いにならないなんてことにならなくてよかった)


ブラッソはブラッドオーガ、オーガの亜種らしい。普通のオーガにはない魔力、知能、戦闘能力の幅の広さ。普通のオーガはランクCの魔物の中でも上位に位置している。上位種になると者によってはランクBにもなる。

そして亜種のブラッソはステータスでの強さ以外での強さを学び、ラガール曰くオーガの希少種より強くなっているのではないのかと言われるほどの強さを持っている。

パワーだけならSランクに片足を突っ込んでいるってさらっと、本当にさらっと言っていたからな。


(フム、コイツラハ・・・・・・ゼルートノナカマ・・・イヤ、トモカ。ナカナカキモガスワッテイルナ。コノオレヲマエ二シテフルエテハイルガ、ブキヲカマエオレニタチムカオウトシテイル。ダガナンノタメニトモヲオレノマエニツレテキタノカ・・・・・・・・・オソラクハコノヨニント、オレガモギセンヲスルトイッタトコロカ)


ブラッソはゼルートが親しい者に対して、かなり過保護だということを知っているので、ゼルートが何故今回自分の前に友達を連れて来たのかを理解した。


ゼルートはとりあえずビビりながらも武器を構えている四人に、ブラッソが敵でないことを伝えた。


「四人ともとりあえず武器を下ろしてくれ。そこにいるブラッドオーガのブラッソはお前たちが今日摸擬戦する相手・・・ま、先生だ」




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