第24話少年期[14]新たな従魔

「足は動くか?」


「あ、ああ。問題なく動く。しかし・・・ゼルは本当にすごいな」


「そんなことはない。ただ単に知識があっただけだ」


「謙遜する必要はない。知識なら誰でも得ようと思えば得ることができる。だがそれを実行するにはそれ相応の努力がいる。だから自分の努力にもっと胸を張ってもいいと私は思うぞ」


「そうか・・・」


うん、そんなに誉められると恥ずかしくなるからやめてくれ。


「そうだな、せっかく足を治してもらったんだ。なにか恩を返さなければな」


「別に恩を返すなんてことはしなくても・・・」


「いや、そうしなければ私の気がすまない。そうだな・・・よし! これなんてどうだ」


ラガールは周りに電気が走っている魔鉱石をさしだした。


「これは・・・なんていう魔鉱石なんだ?」


「名は雷竜石というものだ。元々上位の属性ドラゴンが住む周りにある鉱石はそのドラゴンの属性によって変化するんだ。魔剣や防具などにも使えてなかなか役に立つと思う」


なかなかどころではないと思うのは俺の気のせいか?


「そうか。それならありがたく貰っておこう」


「そうしてもらえると有り難い」


「それともう一つ・・・」


「いや、もうこの雷竜石で十分だ」


大きさもかなりのもだしな。


「そう言うな。というよりもう一つはこちらからの頼み事みたいなものだからな」


「・・・それはどんな事なんだ?」


「おっ!頼まれてくれるのか!」


「内容によるけどな」


あんまりめんどくさいことはしたくないしな。


「それもそうだな。ラル! こっちに来なさい」


「クルルルル!」


ラガールが小さなドラゴンを呼んだ。

息子か娘ってところか?


「この子はラルといって私の娘だ。それで先ほどの内容なのだがこの子をお主の従魔にして欲しいというものだ」


・・・・・・・・・はっ!?


「え、ちょ、待ってくれ! いや、どういう流れでそうなったのかさっぱりわからないんだが・・・」


「理由は簡単なものだ。この子にはもっとこの世界をみてほしいんだ。私は若いころ戦いばかりに明け暮れていたのでな。ここにたどり着く少し前にその楽しさに気がついたんだがいろいろとな」


「寿命でも近いのか?」


「寿命はまだ先がある。だが人の町に入るときなどいろいろ面倒なのでな」


「あ~~なるほどな」


鑑定のスキルで正体がばれた時とか面倒くさそうだしな。


「そこでこの子がお主の従魔になればいらん心配はないというわけだ」


「・・・でも俺なんかでいいのか?」


「そこのラームやゲイルの様子をみていればわかる。お主の従魔でいることの幸せさがな」


「ピイイイイイイ!!」


「ほらの」


「ラーム・・・・わかった。でもそっちのラルだったか。そいつはいいのか」


「心配はいらんよ。ほれ」


「クルルルルル!」


ラルは嬉しそうな声を出しながらこちらに向かって飛んできた。


「・・・そうみたいだな。でも一つお願いがあるんだ」


「なんだ」


「俺ここに来ている事を、両親に内緒にしてるんだ。だから急に家に雷竜の子供なんて連れて帰ったら・・・うん、とりあえず面倒なことになるから暫くここにいてほしんだ」


「ふむ・・・確かにそれもそうだな」


「それともう一ついいか?」


「構わん。言ってみろ」


「ゲイルのやつに修行をつけてやって欲しいんだ」


あいつレベルになると特訓の相手になるの俺やブラッソくらいだしな。


「なんだそんなことか。全然構わんぞ。あやつはなかなか見込みがありそうだしな」


「それじゃ、よろしく頼んだ」


「うむ、任された」


「クルっ!! クルルルルル!!」


「ピイ! ピイピイピイ~!!」


なんか俺とラガールが話してる間に随分と仲よくなった。


「ラル。ラガールの言うことをちゃんと聞くんだぞ」


「クル!!」


ラルは敬礼に似たポーズをしながら返してくれた。


この後俺はゲイルにラガールが修行に付き合ってくれることを話してから帰った。

ゲイルにはものすごい感謝された。


そういえばラガール男か女かどっちだったんだ?

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