第19話少年期[9]あんまり子供なめんなよ

俺はリルと一緒に村の広場に向かって歩いていた。


今日は王都の商人が塩や砂糖などの調味料や服、その他の生活用品を売りに来る。

ちなみにその人は父さん達が冒険者時代に世話になった人らしい。


俺はその人に自作のポーションを売ろうと思っている。

ポーションは体力回復ポーションと魔力回復ポーションの二種類があるが体力回復のポーションだけ売ろうと思う。

魔力回復のポーションは魔法の練習に使いたいからな。

今作ってるあれはかなり魔力を使うしな。


「ねぇねぇ、ゼルート君。ゼルート君は商人の人から何か買うの?」


今日はどうするかを考えていたらリルが話しかけてきた。


「いや、俺は逆に商人に買って貰おうと思ってるんだ」


塩や砂糖には興味があったけどよくよく考えれば創造のスキルで造れるんだから買う必要はないと思った。


「? 買うんじゃなくて売るの??」

「あぁ、そうだよ」


「でも、何を売るの? 王都の商人さんだからちゃんとしたものじゃないと買ってくれないと思うよ・・・」


「俺は体力回復のポーションを売ろうと思ってるんだ。それならちゃんとしたものだろ」


「え、ポーションって錬金術を使える人じゃないと作れないって本に書いてあったけど・・・もしかしてゼルート君は錬金術が使えるの?」


「一応な」


「凄いねゼルート君! この前ステータスとスキルを貰ったばっかりなのに」


まぁ、転生者なんだしこれくらいはできないとな。


「そういうリルだって最近魔法の練習を頑張ってるみたいじゃないか」


みんなでファイヤーボールを見せ合ってから俺のお母さんに魔法の指導を受けてるらしい。

お母さんがなかなか才能があるって言って喜んでいたしな。


ファイヤーボールも四人のなかだったら一番安定してたし確かに才能はあるんだろうな。

そう考えるとゴーランは才能がなさすぎるな。小さな火ぐらいは出るかと思っていたけどまさか屁が出るとはな。

ある意味予想を裏切ったと言えるけどな。


「スレン君もゼルート君も凄かったから私も頑張ろうって思って」


「母さんもリルは才能があるって言ってたぞ」

「そ、そうなんだ。えへへ」


頬が超緩んでるな。そんなに嬉しかったのか。


「おいリル。そろそろ商人のいる広場に着くぞ」

「そ、そうだね」



・・・母さんにリルは褒めればもっと頑張るタイプだよとでも言っておいてやるか。




「塩五袋ちょうだい!」


「砂糖を三袋お願いします」


「この服とこの服をください!」


「あ! それあたしが狙ってた服よ!」


「早い者勝ちに決まってるでしょ!」


「おじさん、この木剣ちょうだい!」


相変わらず賑やかだな。商人さんも嬉しそうに働いてるし。

服を巡って女の戦いがちらほら見えるのが少し怖いけどな。

商人のお手伝いさんも若干怯えてるし。


「じゃぁ、あたし行ってくるね」

「おう、言って来い」



んじゃ、俺の用事を済ませるとしますか。


「フーデルさん」


「おや、ゼルート君ではないですか。お買い物ですか?」


五十代ぐらいのちょっと肥満なおじさんがこちらに振り返った。


「違いますよ。フーデルさんに買って貰いたいものがあるんです」


「私に売ってほしい物ではなく買ってほしい物ですか?」


まぁ、五歳の子がこんなこと言ってたら普通は不思議がるよな。


俺はフーデルと少し離れたところに来た。


そんじゃ交渉開始といきますか。

の前に一応サイレントルームを使っとくか。

内容がばれたらちょっと面倒だしな。


「それで私に買ってほしい物とは何ですか?」


期待半分、疑い半分って感じの眼だな。


「これを買ってほしいんです」


そう言って俺は持ってきたバックから体力回復のポーションを出した。


「ほぉ、体力回復のポーションですか・・・む、これは!」


やっぱりわかるよな。


俺の作ったポーションは大体がランクCの中やランクDの大のポーションだ。

普通の錬金術が使える人が作ったポーションはほとんどがEからCの小の間だ。


俺みたいにBの中やCの大を作れる人もいるみたいだが、一つ作るのに時間と魔力がかかるので上手く作れるひとでも、少しランクをさげて作ったほうが結果的に金になるみたいなので、ランクが高いポーションはあまり出回らないらしい。


「どうですか? 買って貰えますか?」


「え、えぇ。是非買い取らせてもらいましょう。買い取り価格はそうですね・・・金貨三枚でどうでしょうか」



・・・・・ぁあん?

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