第四話〜幕間2〜

えるみん:佐倉家の襲撃事件ってなんだっけー?


 シーンが終わったタイミングで隣に座るえるみんが質問を投げて来た。


だみ:だいぶ前のセッション内容だからな、無理もないか。

 1話で影裏たちがレネゲイドについて説明を受けたあと、佐倉家に戻ったのは覚えてるかい?

えるみん:UGNになる前の組織の護人会だっけ。霧谷くんと一緒に助けに来た……えっと──、

だみ:轟木 源十郎だね。この時代のUGN日本支部長とも言える人だ。

えるみん:そうー! その人ー! たしか直接仲間になってくれって頼まれたんだよねー。

だみ:うむ。その場では返答できなくて、それで一旦佐倉家に戻ったんだ。帰ってみたら佐倉家では──

えるみん:そうだ! アンナさんが怪我してたんだったー! で、鍛錬の間が血みどろだったんだよねー。


 血みどろ……まあ、うん。間違ってないけど、なんだろう。言葉から怪談を連想してしまうのは私だけか?


だみ:さっきのシーンで言ってた佐倉家襲撃事件っていうのは、それの事を言っているんだ。1話から2話にかけて時間を経過させてるから、影裏たちにとっては5年前に起きた、真相を隠された事件ってわけだ。


 佐倉家襲撃事件については1話のミドルシーン5に詳しい。詳細が気になった方はぜひそちらも参照して欲しい。


えるみん:真相を当主の厳蔵さんが口止めしてたのはなんとなく分かってたけど、今回でしっかり明言されたねー。

だみ:そうだな。そしてその情報を得るにはアンナさんを……ってわけだ。

えるみん:なるほどねー!


 疑問が解消されたえるみんは、次を促してくる。手元のシナリオシートに目を落とすと次のシーンは……、


だみ:ああ、マスターシーンか。


 そう呟いた私の口は、おそらく歪んでいたに違いない──。

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