第二話〜ミドル5(2)〜

GM:さて、追いかけた影裏は後に回して、まずはその場に残った春見に情報項目を開けてもらおう。

春見:了解。


情報項目:遠藤千夏について

情報:UGN

難易度 8

備考:この項目を成功すると、同時に『情報項目:死刑囚たちの現在について』も自動成功される。


春見:ふむ? 自動成功されるとな?

GM:さっきエージェント"スコープ"に監視を継続することを描写してたから、それのボーナスだよ。

影裏:おお、まじか。やったぜ!

春見:グッジョブ。では挑戦してみよう。


 春見は「コネ:要人への貸し」を宣言し、達成値21を叩き出した。情報収集能力の高さが窺い知れる。


GM:ということで情報だ。


 情報:遠藤千夏について

 UGNエージェントの一人で、階級はエース副官補佐。

 エースエージェントの一人である影裏 結理、その副官である佐倉 春見の補佐が本来の仕事。

 戦闘においては連射の効く大型ハンドガン(データはPDW)二丁とロケットランチャー(データはボルトアクションライフル)を駆使して戦う。

 主に攻撃と同時に妨害することを主眼に置いた戦い方をする。

 また年の離れた兄がいたが、過去に死別している。



春見:ハンドガン(PDW)

影裏:ロケットランチャー(ボルトアクションライフル)

GM:……い、いやぁ。元ネタに寄せたかったのよ(笑)

影裏:死別した兄ねぇ……ま、そういうことなんだろうなぁ。



GM:さて、もうひとつ。先ほどの項目を開けると自動成功で開けられると書いていた情報についてだ。


 情報:死刑囚たちの現在について

 食い逃げや窃盗などによって食いつないでいるようだ。

 何かを企んでいる様子はなく、ただ本能のままに生きたいように生きているようにしか見えない。

 しかしそれは裏を返せば「殺したくなったら殺す」ということでもあるだろう。


GM:そしてこちらがEX情報項目となる。


 情報項目:遠藤 千夏の詳細について

 情報:UGN

 難易度 9


春見:では行ってみましょう。コネは使わずに判定いくよ(ダイスころころ)達成値は……嘘だろ5D+2で7かよ(苦笑)

影裏:なんという……(笑)

春見:財産ポイントを2点使用して判定成功させます。しかしこの失敗は……ふむ。


 何かを企んでいる様子。それをとりあえず置いておき、情報を開示する。


 情報:遠藤 千夏の詳細について

 指名:遠藤 千夏(えんどう ちなつ)

 シンドローム:ノイマン

 衝動:憎悪

 主なエフェクト:《刹那の勝機》《崩壊の一点》《ガードクラッシュ》《デュアルデュエル》

 千夏には年の離れた兄がいた。遠藤 千秋という名の彼は、まさに千夏にとってのヒーローだった。

 兄にできないことなんてない。やろうとすれば、なんでもできる。幼いからこその認識だ。

 幸せな日々だったが、不幸な事件が起きた。

 薬島 陸による連続通り魔殺人事件。千秋はその被害者となり、命を落とした。

 心に空いた穴は、いつしか千夏をオーヴァードへと覚醒させ、今なお薬島 陸への復讐を胸にUGNに所属していたのだ。

 影裏 結理の名前を聞いた時、彼女は直感する。彼も被害者遺族の一人だと。

 独自に調べていた連続通り魔殺人事件の被害者の中に、影裏の苗字があったからだ。

 影裏に近付くべく、千夏も力を付け、副官補佐の役職を得た。その際に彼の副官となっていた春見の補佐官を志願したのだ。



春見:エフェクト……これは露骨な結理君殺し(笑)

GM:ビルド、楽しかったDEATH★

影裏:敵に回したくなさすぎる……(苦笑)



春見:「……千、夏ちゃん。無事なら、いいけど……」

 口では彼女を慮る言葉を吐いているが、先ほどから手が震えて止まらない。

「……大丈夫。大丈夫だから……あれはしょうがない嘘だったんだから……」

 千夏について調べ上げた情報を纏め、結理君の端末に送る。しかし、いつもより誤字脱字が目立つ文章だ。

「結理君……私、いい子で待ってるから……」

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