第二話〜ミドル3〜

GM:戦闘終了後、君たちが青く光るポッドの死刑囚に目を移した瞬間。

 ラヴィングサンは《蘇生復活》を宣言。全身炭化、心臓もない状態でかろうじて動く!


影裏:あああ、これだからジャームは……!


GM:すまんの。同時に、Eロイス『心の爆弾』を宣言! 薬島 陸を操り人形にしようとする! また《異能継承》を宣言! ラヴィングサンのエフェクトを薬島 陸に受け渡す!

春見:……ッ!? まだ生きてる!?」

影裏:「な……しまった!」

ラヴィングサン:「これで、ひとまず最後……。ふふ、さあ私の新しい息子、こいつらを殺して……早く!」


GM:その声に呼応するかのようにポッドが全て開き、中から死刑囚たちが出てくる。中でも薬島 陸はポッドが開くと同時に飛び出し──、


春見:「……ッ」

影裏:「っ、最悪の展開か……!」

 女性陣を庇うように、ボロボロの身体で前に出る。


GM:彼は近くにあったカッターナイフで、事もあろうかラヴィングサンにトドメを刺す!


春見:「……え」

影裏:「なに……!?」

ラヴィングサン:「なん……で……」

薬島 陸:「っは! 何が"殺して"だ! 死に損ないが粋がるんじゃねぇよ! テメェのゲームは終わったんだよ!」

ラヴィングサン:「…………」

死刑囚ジャーム:「捕まってたまるか、俺たちは自由だ!」


 死刑囚たちが手をかざすと衝撃波が生まれ、壁に大穴が開く。そこから逃走する! 《瞬間退場》×5と《瞬間退場Ⅱ》を死刑囚ジャームが宣言し、離脱する。

 薬島 陸は、死刑囚たちに引っ張られるまま無抵抗に闇へと消えていく。


春見:「ま、待って!」

 追おうとするも逃げられる。

影裏:「くっ、待て! ……逃げられたか」

千夏:「このまま追うのは危険です! 影裏さん、一度日本支部に戻りませんかっ?」

春見:「……そうだね。結理君、一度支部に戻ろう?」

影裏:「ああ……深追いは禁物だ。こちらも態勢を立て直すぞ」

千夏:「了解です」

春見:「……了解」


 去り際に、影裏は静かに呟く。


影裏:「……薬島 陸。そうか、お前は"そういう"奴だよな……」

春見:「……結理君?」


 春見には届いたその言葉はしかし、穴の奥に広がる闇を見つめる千夏には届かない。闇夜に消えた死刑囚たち。影裏たちが取る、次なる行動は──?

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