目指すな日本一! -北の国動物園物語-

作者 偽教授

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★★★ Excellent!!!

神々が地上を訪れるときには、獣や鳥の姿をとる。
人間は神々の化身を狩ったり捕ったりすることで、
その恵みを受ける。故に獣も鳥も敬うのだという、
アイヌの死生観には心を惹かれる人も多いだろう。

このエッセイの語り手は、アイヌ的に言えば神だ。
カパチリカムイ。日本語で言うなら、大鷲の神様。
彼女はかつて、渡りに失敗して人の子に保護され、
円山動物園で生きた。今は、まあ……魂、である。

サブタイトルに「北の国動物園物語」とある通り、
円山動物園と旭山動物園、2つの動物園が語られる。
主軸は日本一を「目指さなかった」円山動物園で、
旭山動物園の革命は、その好対象として描かれる。

一時は廃園の危機に陥った公営動物園の再起とは?
何が起こり、何が足りず、何を見つめ直したのか?
新聞記事や議事録やインタビュー記事等をもとに、
スパイスの効いた軽妙な語りで再構成されていく。

私は2009年の夏に旭山動物園に行ったことがある。
「檻の中の動物かわいそう」教育を受けた世代だ。
エッセイで扱われる出来事や世相にいちいち納得。
舞台裏はこんな風だったんだなと、勉強になった。

2009年夏の旅行では当然ながら札幌にも滞在した。
円山動物園にも行ってみればよかった、と思った。
もう1人の語り手である高校生の「ぼく」を通じて、
札幌における円山動物園の立ち位置がよくわかる。

鳥が好きな人、特に大鷲が好きな人。
ぜひ読んでほしい。
大鷲のバーサンが素敵だから。
バーサン、今回は相手を噛み殺さないようにね。

★★★ Excellent!!!

北海道のふたつの動物園の再生をテーマにした、とてもすんなり読めるエッセイです。

すんなり読めるのですが、エッセイの語り手は一筋縄ではない癖のある人物。人物というか大鷲、大鷲というか神様、神様というか語り手なのです。

「日本一を目指さない」ってどういうことだろうと読み始めたら、気付けば最後まで読んでいました。結構お堅いことや、具体的で退屈な数字が出てきたはずなのに、すっといけるのは凄いことです。

北海道のふたつの動物園の歴史と、語り手の好ましいお話と共に、この不思議に読み切ってしまう不思議な感覚をぜひ、体験してみて下さい。

★★ Very Good!!

北海道が大好きなので、どうかな? と読んでみたところ、札幌や動物園の歴史が大変分かりやすくまとまっていました。語り手が「大鷲」なのもよいアイディア。

ここから先、どんなふうに話が盛り上がっていくのかとても楽しみです。
期待を込めて★2つ。