大工さん?いいえ、土魔導士です
さて、メラニアが来た事で教会の建て直しをする事になったのだが・・・・・・。
「流石に、素人には無理だろ・・・・・・。」
「だよなぁ・・・・・・。」
家のリフォームぐらいなら出来るが、教会ともなるとデカいのでやはりプロに頼むのが一番なのだが・・・・・・。
「平和になった事で城壁とかモンスターの襲撃を受けた家の改装とかで忙しいみたいだ。」
王都に行き頼みに行ったディオは知り合いの棟梁から申し訳なさそうな顔で断られたらしい。
「私は建物の大きさとかは気にしてませんよ。信仰する気持ちが大事ですから。」
「それでも、最低でも屋根は必要でしょ?」
ミファの指摘にメラニアは小さく頷いた。
とりあえず、俺達で出来る事しか無いか・・・・・・。
その翌日、レイカと共に村の周辺のパトロールをしていた時だ。
「師匠、誰か道に倒れていませんか?」
「ん?確かに・・・・・・、おい、大丈夫か?」
俺達はその倒れていた人物に駆け寄った。
見た目は10代の少年でボロボロな服装だった。
「うぅ・・・・・・、水か食べ物・・・・・・。」
「わかった。村に運んでやるから。」
俺は少年を背中に背負い村に戻った。
「どうもありがとうございました! お陰で助かりました!」
「元気になって良かった。」
村に戻った俺達はユミカの店で少年に食事をさせたらすぐに元気になった。
「僕は『ランシュ・カサリア』と言いまして旅の魔導士です。」
「そっか、俺はダイナ。一緒にいるのはレイカだ。」
「ランシュはどうして倒れていたの?」
「実は旅の資金がつきまして数日間、飲まず食わずで・・・・・・。」
「そうか、若いのに大変だな。」
「いえ、これも試練だと思っていたんですが、・・・・・・流石に堪えますね。」
苦笑いするランシュ。
素直な良い少年だな、て思った。
「助けていただいたお礼がしたいんですが。」
「お礼なんて良いよ。 そういえば魔導士て言っていたけど何が出来るんだ。」
「魔導士と行っても落ちこぼれですから大した事は出来ませんよ。僕は『土魔法』専門ですから。」
「土魔法?」
「壁を作ったり、家を作ったり出来る魔法ですよ。魔導士の中ではハズレ魔法の一つです。」
え?
それ、今一番重要なんじゃないか?
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