女は強し

 俺達はレイカから婚約破棄の真相を聞いて唖然としていた。

 何て言うか確かにバカだ。

 俺でも国同士の結婚がどういう意味なのかわかる。

「よく戦争にならなかったなぁ。」

「だって、婚約の話を持って来たのは向こうよ。レンゲルに援助だってしていたのよ。力関係ではうちの方が圧倒的にあるんだから。それを知らなかったらしいし、あのバカ王子は。」

「本当に変わっちゃいましたね。」

「もう全てどうでも良くなっちゃって、ずっと大人しく清純で清く正しいお嬢様をやっていたけど、それを否定されてじゃあ私はなんなのよ!? て言う気持ちが沸いてきてあんな事になっちゃったのよ。でも凄いスッキリしてるの。だからお姫様の私はもうおしまい。心機一転して再スタートする為に来たのよ。」

「親父さんもよく許可してくれたなぁ。」

「家に帰って来たら驚かされたわ。髪はボサボサ、服は返り血浴びてるし、手は血だらけだったから。事情を聞いて『後は私がやるからレイカは大人しくしていなさい。』て言われて。全てが片付いた後、お父様に、私にも処分を下さい、て言って国外追放してもらったの。私に罰が無いのは不公平じゃない?」

「しかし、これからどうするんだ? やる事は決まってないだろ?」

「私、冒険者になりたいのよ。今までの私とは正反対な事をやりたいの。」

「冒険者となると・・・・・・。」

 全員の視線が俺に集まる。

「わかったよ。俺が指導してやるよ。」

「お兄ちゃんがやるなら私も手伝うよ。」

「師匠!よろしくお願いしまーす!」

 俺とミファはレイカの師匠をやる事になった。

 しかし、女て言うのは強いもんだよなぁ。

   

 

 

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