住人になってくれるらしい

「改めてですが『クラウス・マジーナル』と言います。」

 新人騎士もとい、クラウス王子は改めて俺に自己紹介してくれた。

「それとですね、実は勇者様の身辺警護をするように、と言われまして。こちらに滞在する事になりました。」

「そっかぁ、まぁ妹に身辺警護なんて必要ないと思うんだが。」

「それを言われたら反論出来ないんですが・・・・・・。」

 苦笑いをするクラウス。

「見ての通りのほぼ廃村状態だからな。一人でも来てくれるとありがたいよ。」

 実際、今欲しいのは人手だからな。

「まぁ、ご近所同士よろしく頼むよ。」

「こちらこそよろしくお願いいたします。」

 真面目な青年だな。王様とは偉い違いだ。

 ディオにも紹介したのだが、王家の人間、という事もあってディオは若干緊張していたのはちょっと吹き出しそうになった。

 すぐにクラウスの住む家は見つかった。空き家なら捨てるほどあるからな。

「この広さだったら妹と共に一緒に暮らせますね。」

 え?妹?

「妹さん、王女様も来るのか?」

「はい、今回の件で父に呆れてしまったみたいで・・・・・・。それに勇者様ともすっかり仲良しになったみたいで。」

「よく説得できたな。」

「妹も一度決めたらテコでも動かない性格ですから。父から『説得してくれ』て泣いて頼まれましたが流石に父が悪いですから。今回は。」

 あぁ、多分クラウスは同じタイプの人間だ。

「何か、お前を見てるみたいだよ。」

 ディオが言うから間違いないな。

  

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