0x0011 不要なサプライズって殺意が沸くよね
セルジアの追求は中々にスリリングなものだった。
敏腕弁護士も
デアドラの屋敷に着いたのは日が暮れてしまってからだ。玄関を開けるとマルティナが居た。玄関正面のホールは高く、上のほうでは『照明』が暖色系の明かりを灯していた。
「やあ、マルティナ。今、帰ったんだ」
「ウウイエア。どこに行っていた?」
「DHAとセルジアの所。実技試験の対策みたいなの」
「そうなのか。それにしてもラルカンには困ったものだな。ジネヴラから聞いたが、サプライズ・プレゼントのつもりだったんだって?」
「男のアピールって時々見当違いなのがあったりするから女子は大変だよね」
「ああ、そうだ。勝手に暴走して、いい迷惑だ。特にラルカンは酷い。昔からそうだ。ところで話は変わるが、ちょっとウウイエアに聞きたいことがあるんだ」
「えっ、いつもと違ってかしこまっているけど、何なの?」
「今度、DOGがここに食事に来るじゃないか。その、東洋人としては、食生活ってどうなんだ? 何か好みの食べ物とかあるのか?」
そういえば、そんなことをジネヴラと話していたね。
でも、君らから見たら東洋人って一括りで考えちゃうんだろうけど、そうじゃないんだよ。
そもそもガシュヌアが、僕と同じ嗜好を持っているとも思えない。
あいつだったら、何でも無表情で食べちゃうんじゃない?
ぶっちゃけ、アイツってイメージ的にサバイバル的な環境下での訓練とかしていて、石でも平気で食べちゃうんじゃないのかという気がしてる。
メインディッシュは花崗岩。
盛り付けが華やかで、雲母の輝きも美しさを添え、独特の風味を想起させてくれることだろう。口の中に入れると絶妙な歯触りで、口の中で
そして、デザートはやっぱり石灰岩。
炭酸カルシウムが多いのがいいだろう。白くて美しいものがいい。歴史を堆積させた豊潤な香りはガシュヌアの舌を魅了するだろう。
とか、そんなことは言えない。
マルティナの真摯な視線に期待が混じっていたからだ。
でも、ガシュヌアって、僕的には不審者。だから、マルティナが心を寄せているのを見ていると複雑な気分になる。
嫉妬なのだろうか?
いやいやいや。そうじゃない。でも、何かモヤモヤする。
無難に一般論から入ろう。
「えーと、マルティナさ、ガシュヌアの出身国とか知ってる?」
「いや、知るわけがない」
ですよねー。仮に聞いても僕はこの世界のことわかってないから、答えようがない。でも、インド系ならカレーなのか?
インド人ハッカーに言わせるとカレーにも色々な種類があって、食事は全てカレーなのだそうだ。写真見せてもらって絶句した覚えがある。
これは野菜カレー、これは肉カレー、これは魚カレーなんだよー、とか説明してくれた。
嬉しそうに写真アップしてたから、あの時は言えなかったけど、今なら言える。
サッパリ意味がわからねえ。
食習慣の違いって恐ろしいよね。
ちなみに寿司が欧米ではポピュラーになってきたので、魚の生食とか当たり前だと思ってたら、そうでもないらしい。ロシア人ハッカーが、お前らバカなの? 死ぬの? とかレスしてた。
「故郷の味がいいのかなと思ったんだけどね。ちなみにDOGって昔からここに居たの?」
「いや、ギルドのことを知って調べ始めた頃にはDOGの噂は聞いたことがあるから、少なくとも五年前にはここに居たんだろうな」
「そうか。事前に聞けたら良かったんだけどね」
「……」
「そんな真剣に落ち込まなくても。ほら、あれだよ。得意な料理があったらさ。それがいいんじゃないかな? 僕も元いた世界と食生活が違うけど、ここの食事って悪くないと思うよ」
「そうなのか?」
僕は嘘をつきました。
イギリス料理は基本的にマズいと知っていた。スコットランドは――
まあ、味は悪くはなかった。
ただ、ハギス。あいつは例外だ。
「あの、マルティナ。ハギスは割と人を選ぶとは思うんだ。少なくとも僕は遠慮したいっていうのが本音かも」
「そうなのか? あの臭いがいいのにな。わからんものだな」
いや、わからないものだと言いたいのはこっちだよ。
しかし、料理とか言われましても……
「あっ、そうだ。サンドロースは絶品だったよ。あれは美味しかった」
ぱああ、とマルティナの表情が明るくなった。
「そうか! サンドロースは絶品だったか!」
「お、おう。あれだったらガシュヌアも喜んでもらえると思うよ。サイドディッシュはここの伝統料理にした方がいいと思う。おもてなしって、背伸びするものじゃないと思うんだ」
恋する乙女は情緒不安定になるのか、感情の変化に僕が戸惑う。胸の前に組まれた腕は祈っているかのようだ。
「じゃあ、ちょっと仕込みがあるからキッチンに行ってくる」
機嫌が良くなったのはいいことだ。ついでとばかりに伝えておかないといけないことを言っておく。
「あっ、後、いつかここにラルカンを呼ぼうと思うんだけど」
マルティナの表情が凍りついた。微笑みから微妙に蔑みの表情に変化してゆく。
「……あいつ来たがってるのか?」
「うん、この前のこととか正式に謝りたいとか言ってたよ?」
ニッコリ笑って言ってはみたが、マルティナがどういう反応するのか怖い。
「あいつはまた性懲りもなく。まさか、食事会に突然来たりしないだろうな?」
「あっ、それはないと思う。許可とってから日付を連絡するって言ったから。一応、研究の為なんだけど」
「研究だったら私とジネヴラがいるじゃないか」
仰る通り。
セルジアから聞いた話だとマルティナの成績は魔法学部で主席。ジネヴラは魔法学部に関しては二番に甘んじていたらしい。
だが、プログラミングはセンス。学問とは別次元の所にある。
また、ラルカンとはハッキングについての相談をしようとしていて、それが言えるわけもない。
「魔法ギルド設立妨害の対策とか聞きたいしさ」
「本当か?」
マルティナは納得いってない顔といったら。
ラルカン。ここまで嫌われてて、それでも理解していないって、どういうことなの?
この前、彼を焚きつけてみたものの、トラブル臭がする。
マルティナ、さっきまで極上の笑顔だったのに、すっかりテンション下がっていた。
彼女との距離が離れてゆくように思えた。これから恋愛相談されなくなるんだろうな。
もっとも、アドバイスとかできそうもないけど。
*******
翌日は慌ただしかった。今日はDOGが訪問する日。
もうすぐしたら晩餐の時間。マルティナは実技試験前だと言うのにキッチンに
書斎は屋敷の奥にある。本棚が天井にとどくぐらいの高さ。書棚の上にある本を取るために梯子が用意されているほどだ。
ジネヴラとデアドラの二人は机を並べて、ネットワーク設定の最終チェックをしているけど、デアドラはジネヴラに設定を質問をしていた。
「ここがわかりませんです……。これはどういう意味なんでしょうか……」
「共通鍵というのはね、暗号表を共有するというという暗号方式なの。二人が共通鍵を共有して、データを送る側が共通鍵を使って暗号化。受け取った側は同じ共通鍵を持っているから、それを使って復号化するの」
「ちょっと意味がわかりませんです……」
「例えれば、二つの鍵があると思えばいいの。私とデアドラが秘密の会話をしたいんだけど、人には見られたくない。そんなことってあると思うんだよね」
「そうですね……。人の秘密を覗くのは楽しいですものね……」
「……。そういう人から会話を隠さなきゃでしょ? そこで鍵が必要になるわけ。共通鍵というのは私とデアドラが同じ鍵を持っていて、会話をわからないようにするの」
「何となくわかりましたです……」
「この共通鍵方式には大きくわけてストリーム暗号とブロック暗号にわかれるの。暗号化をする単位ね。例えなんだけれど、文字単位で暗号化するのがストリーム暗号、単語単位で暗号化するのがブロック暗号って感じかな。ここまではわかるかな?」
「はい……。わかりますです……」
「ここでASEが出てくるの。分類としてはブロック暗号。処理としては鍵スケジュール、データ暗号化、データ復号化にわかれるの」
横目で見る限り、体系立てて学習しているのがわかる。
ただ、エルフの技術を体系的に理解していたとしても基本知識がない。どうしても暗号理論は丸暗記。どうしてこうなったのかという過程がスッポリ抜けてしまっている。
現在の暗号理論は高度な数学知識が要求される。暗号化に必須になる乱数生成については、僕の世界でも模索中。
英語という言語は文字が26文字しかない(十六世紀以前は他の文字もあり、アルファベットも十文字無くなったけど)。そして、英語の特質としてeという文字が出現回数が一番多くなってしまう。だから、暗号化しても頻出文字をeと置き換えてしまうことで容易に解読できてしまう。
この度数頻出問題をクリアする為、十五世紀から十六世紀にヴィジュネル暗号が発明されたけれども、十九世紀には解読法が定式化されてしまう。
こうした試行錯誤で生まれ出た暗号学の積み重ね部分を飛び越えて、理解しようとすると丸暗記しかない。
その一方、僕は集中して
魔法統制庁に提出するネットワーク構成図にあったように一機の
本来的にはWebアプリを他の
どういう理由かわからないけど、
処理の比較的軽い
DNSはBind。DNSキャッシュ・ポイゾニング・アタックを防ぐ為には、カミンスキー・アタックを考慮しなくちゃいけない。
カミンスキー・アタックはDNSポイゾニング・アタックの手法。本来的に存在しない
Kali LinuxだとMetasploitフレームワークのbailiwicked_hostで実行できてしまう。
対策として外部のDNSサーバーを使うのではなく、プライマリDNSの参照をここにしておく。それと各自にhostsファイルを配布して、試験で使う魔法だけは必ずアクセスできるようにしておく。
問題はDoSアタックがあった場合だ。ファイアーウォールで対策を打つ。攻撃規模がわからないから、処理が最も軽い
「ユウヤ、ちょっといい」
「ん? いいけど? どうかした?」
「マルティナから聞いたんだけど、ラルカンが来たいって言ってるんだって?」
「うん。取りあえず謝罪したいと言ってたよ」
「……ユウヤ、仲いいよね。ラルカンと」
「前にも言ったと思うんだけど、男の知り合いって居ないんだよ」
「そっか。ガシュヌアさんとかどうなの? 民族的には近いんじゃ?」
「どうなんだろう。ちょっと距離感じるかも。何か偉い人みたいだし」
「うーん、ラルカンかあ。ユウヤにも考えあってのことだけど、招待するなら事前に言って欲しかったかな」
「うん、ラルカンには許可を取ってから日付を伝えるから来てもらうことになってる。OMGの妨害対策とかできることをしておきたいんだ」
「そっか。そういうことね。まあ、それはそれとして――」
「何?」
「ファンバーも来るのかな?」
「えーと、ファンバーは誘ってないよ。てか、居なかった。そういや、ファンバーっていつもDHAに居ないよね」
「そりゃそうよ。ファンバーがラルカンのパトロンだもの。あのね、ファンバーの邪魔をしちゃダメだから。結構、嫉妬深いらしいから」
ジネヴラは何を言ってるんだろう?
僕は言葉の意味をはかりかねて彼女の瞳を見る。
真剣っぽい。何を言おうとしているの?
「さては、気付いてないな、ユウヤ君は」
やれやれ顔をされてしまった。これだから困るとばかりに頭を振っている。
あれ?
「何なの? 何かあるのファンバーって?」
「彼はゲイなの」
「ゲイ?」
「そう、ゲイなのよ」
「ゲイなんだー。そうかー。ごめん、ジネヴラ、ちょっと待ってね。言葉は理解してるんだけど、さっぱり意味がわからない」
僕の頭が混乱を始めた。
えっ、そうなると何。
ファンバーはラルカンを援助していて、それは下心からだと言うの?
てか、ゲイって何なの? 一般的なの?
ゲイ差別するつもりはない。ただ、死角からのぶっ込みに思考が停止した。耳の穴からホローポイント弾をぶち込まれたような衝撃。
言われてみれば、初対面でラルカンが倒れていた時に介抱していたけれど、ファンバーはラルカンを抱きしめていたよね。
でも、それってハグと同じレベルじゃないの?
あれ? ラルカン、絶対に気付いていないよね、ファンバーの気持ちとか。
それでもって、僕がラルカンにマルティナを諦めんなとか、言っちゃったけど、それってファンバー的には余計なことすんなよってことになるの?
ファンバー嫉妬深いのか。何かヤバくないか、この展開?
「ファンバーはゲイなのか!」
「ユウヤ、何を急にそんなに大声だしてるの。しかも立ち上がってるし。色んな人が居るんだから、そういう人たちを差別とかしちゃダメだよ。ファンバーも苦しんでいるみたいだし」
「いやいやいや。差別するつもりはないけどさ。余りにも突然だったし。あれ? ひょっとしてファンバーから嫉妬されちゃったりするの? ラルカンと距離が近すぎるとかで?」
「可能性はありだね」
「違うから。僕はゲイじゃないから。誓ってゲイじゃないから」
「私に言われてもなあ」
ジネヴラは僕がゲイじゃないことをわかってくれてるのだろうか。でも、デアドラは様子が違う。
彼女は頬を染めていた。何この娘。喜んでるの? 嬉しいの?
「そういう恋愛もあるんですねえ……。ちょっと文学的な気がしますね……。背徳感に駆られて燃え上がる二人……。想像するだけで萌えますです……」
おいおいおい、デアドラちょっと待ってくれ。
歴史に残っていないだけで、BLを楽しむ層って中世からあったの?
どういう反応したらいいのかサッパリ。世界って自分が思っているより広いんだね。
また一つ、いらない知識が増えたよ。
「えっ、デアドラってBLとか好きなの?」
確かめるのが怖い。マジ怖い。
「ルネッサンス時の傑作でも、そういった耽美的な作品が多かったものですから……」
マジで?
でも、こっちの世界では文化の発展過程が異なるのかもしれないね。
「でも、美少年限定ですよね……。ファンバーはいい素材だと思います……。でも、ラルカンはちょっと、つがいとしては……。でも、ウーヤなら人種も違いますし、違うジャンルもいいかも……」
「デアドラ、僕はストレートだよ」
「ウーヤは役立たずですね……。期待してたのにガッカリです……」
デアドラ、
この世界のルネッサンス期に何があったのか、小一時間ほど問い詰めたい。
「私はユウヤがゲイだとは思わなかったけど。あの、ひょっとしてそうなの?」
ジネヴラ、僕の目を見て話して欲しい。本気でちょっと待ってくれ。
「ありえないから。普通に女の子が好きだよ」
「ふーん」
「本当だって。どうしてそんな勘違いをしたの?」
「ラルカンの所によく行くじゃない。私にはわからないけど、ラルカンって、ほら、その手の人にモテたりするのかなって」
「もう一度言うよ。普通に女の子が好き」
「へー、そうしたらユウヤって、どんなタイプの女の子が好きなの」
「そうだなあ。優しくて、思いやりがあって、それでいて芯がある人が好きかも」
「条件が厳しい」
「そういうジネヴラはどうなの?」
「……あ、余りそんなことは考えたことないかも。ほら、ギルド設立しなきゃでしょ。そんな時に誰が好きとか不謹慎というか。よくない感じしない?」
「んー、言われてみればそうかも。でも、ジネヴラはストイックだね」
「ストイック?」
あー、この世界での歴史にストア派ってないんだ。
ここでは、古代ギリシアのゼノンは
「自制心があるっていう意味だよ。自分に厳しいっていう意味もあるよ。確かに恋バナに花を咲かせてる場合じゃないね。OMGから睨まれているみたいだし」
「だよね。マルティナの件もあるけど、DOGって陸軍省と関係あるじゃない。それでいい方法がないか食事会で探ろうとか考え中」
「あっ、僕も同じことを考えてた。DOGから軍事系の魔法に関しては優遇されてるみたいなことを聞いたし」
「ユウヤも?」
「そうだよ。デアドラから圧力かけるのも一つの方法なんだけど、できれば正式に認められた形で、認可されたいよ」
「うん、私もそう思うんだ。国が制度を定めているなら、正々堂々と認可されたいもの」
デアドラは顔を起こして会話に混じってきた。
切り替え早っ! さっきまで妄想の世界にいたよね君?
「持てる力を行使することは悪いことではありません……」
スゲー、言い切っちゃったよ、この娘。
「デアドラが認可の為に最善を尽くしてくれていることはわかるの。ただ、後でコネで認可されたって言われるのも嫌だなって」
「ジネヴラさん、父様も王族とは言え、無理に認可させるわけではありません……。ただ、魔法統制庁長官ドナルには、以前から不審な動きがありますから……」
「それって魔法統制庁にも問題があるみたいってことを言ってる?」
「ウーヤの言うとおりです……。貴族や政府と言っても、ただの人の集まりなんです……」
デアドラはどこか寂しそうな表情を見せた。
でも、君は王族スイッチ入ったら、かなり危険人物だと思うよ。
「デアドラ、あなたのベストを尽くしてくれてるんだよね?」
「はい……。いまの国のあり方が正しいとは言えません……。ジネヴラさん、あなたは言っていましたよね。私たちが良くするのだと……」
「ここは私が住んでいる世界だから、自分が居る世界だから。自分で何かアクションを起こしていかないと、何も変わらない。そう、思っているわ」
「やはり、ジネヴラさんです……。この国を良くして欲しいです……」
二人の女性はお互いの瞳を見つめ合ってる。
えーと、僕は置いてけぼりなんですけど。
すると、玄関からノックの音がした。今日は確かに食事会だけど、ちょっと時間が早い。
感動に浸っている二人をそのままにしておいて、僕が出ることにする。玄関へと向かうと、エプロンを付けているマルティナがいた。
「準備はどう?」
「ユーヤが言った通り、サンドロースにするつもりだ。中々仕込みに時間がかかってな。でも、味は保証するぞ」
「それは何よりだ。サイドディッシュも完璧?」
「ああ、それもユーヤの言うとおりにした。フィッシュ・アンド・チップスとハギスだ」
「そっかー。頑張ったね、マルティナ」
ハギスかあ。また、アレを食べないといけないとか、頭が痛い。
マルティナにはエプロンを外してもらって、ドアを開けることにした。
ドアを開くと、そこには四人の男が立っていた。
ガシュヌア、ドラカンは招待客だ。
オーケー。彼らについては問題ない。
問題なのは他の二人。
ラルカンとファンバー。
ラルカン、呼ぶ日はこっちから連絡するって言っただろ!
ラルカンはテンションが上がっていた。
「ユウヤ、来たぞ。食事会なんだって? 小腹が空いててさ。よかったら俺たちにも何か食べさせてもらえるかな?」
嵐の前日は静かになると聞いたことがある。
書庫の方を振り返ると、ジネヴラとデアドラが立っていた。二人はどういうつもりだと聞いていた。
そうか、ラルカン。
お前って空気読めない人だったんだね。
ラルカン、こいつ
ラルカンが皆から嫌われている理由がわかった気がした。
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