リンカーネーション−TheDifferenceEngine−

作者 メガ大仏

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★★★ Excellent!!!

地の文がここまで雰囲気を醸し出し、ファンタジー要素すらもダークに彩るその文章力。御見逸れ致しました。

ダーク系の世界観が大好きな私にとってはドストライクな作品。ダークスチームパンクと表現すれば良いのでしょうか、他の同じような小説とは一線を画す構成力は脱帽しました。

死者から蘇り、知らぬ間に上流階級への憎悪を抱いていた少女の不思議で不気味な冒険譚。正真正銘の箱入り娘の主人公が猫に誘われ、スラムの少年に誘われるーー今はここで止まっていますが、そこかしこに散りばめられた何故と残酷な謎が物語を霧がかった暗いロンドンを彩っているようです。

予想が正しければ。現時点(8月16日)でその憎悪の正体が何となく想像できました。だとすれば、あまりに過酷な運命が待ち受けているのでしょう。

少しプロローグが長いかな?とは思いましたが気にならないレベルです。今後の展開がとても楽しみです!

★★★ Excellent!!!

これは我々が生きる現実世界よりも蒸気機関が発達した世界を描いた物語――いわゆるスチームパンクに類される作品だ。しかし本作はそこにさらに、クトゥルフ神話の彩りを添える。

主人公エミリアは病で命を落としたものの、秘術により蘇る。
しかし蘇った彼女は、深い憎悪を万象に抱くようになってしまっていた。
正体のわからない憎悪にエミリアは苦しみ、その原因を知るべく自らを蘇らせた書物の行方を少年ジャックと共に探す。
その書物というのはあのクトゥルフ神話の魔導書――『ネクロノミコン』。
階差機関や自律機械人形などのスチームパンクのエンジンが動かす物語の中では、チャールズ・ダーウィンやオーガスト・ダーレスなどの史実上の人物も暗躍する。そんな煌びやかな舞台には、クトゥルフの禍々しい気配がひそかに漂う。

それぞれに何かを隠した人々の思惑が複雑に絡み合い、エミリアの行く手には確かに不穏の影が横たわっている。
果たして、彼女の魂に刻まれた憎悪の正体は何か。
繁栄を謳歌する大英帝国を舞台に繰り広げられる、少女の罪の旅路をこれからも見届けたい。

★★★ Excellent!!!

今や一大ジャンルとなった「スチームパンク」を真正面から描きつつ、そこに「ネクロノミコン」という魔術的な要素を加えたダークな作品。

蘇生された少女・エミリアの一人称で物語が語られるのも意欲的で、彼女は憎悪を身に纏いながら、自分が蘇生された理由を探ろうと深い闇の中に足を進めていく……

階差エンジン、自律機械人形、死者蘇生、ネクロノミコン、面白くなりそうな要素がてんこ盛りになった本作はまだ序章を終えたばかり――

今のうちに目をつけておくのはいかがだろう?