第23話「七大将軍、大気圏上空に現る!」~ストーリー構想など~

・バグロイヤー太陽系前線部隊は表向き決闘にゼルガが敗れたとの形で地球側との戦争を停戦する意思を示した。地球側は天羽院に今まで踊らされていた事もありPARと電装マシン戦隊はより強固な関係を築き、ゲノム解放軍との同盟も締結したいとの意思。地球で電次元側との友好を築いていく足掛かりとして太陽系はこの3組織の連合で守られる形となっていた。

・あれからバグロイヤーの侵攻は1か月近く途絶えた。だが油断はしてならないと地球側はオーストラリアから第4のフォートレス・ジェラフーを打ち上げ。この打ち上げからの護衛をアンドリューが担当する事になり、イーテストはしばらく太陽系に駐留していた。そのさなかオール・フォートレスにてゼルガの代わりに現在艦長を表向き務めるメガージと通信ごしに談笑するアンドリュー。自分が護衛するのはジェラフーに配備される3人のプレイヤーが訓練を終えるまで彼らの訓練を玲也が監督する事になったという。彼もその風格が身についてきたと評し、いずれまたあいつと手合わせしたいと弟子の成長を楽しみにしている様子でもあった。だがその折ジェラフー・フォートレスから非常救難信号が届いた。一体何が発生したのだろうか……


・その頃東京港にドラグーン・フォートレスは着艦しており、玲也達も2週間ぶりに帰還して懐かしいとの様子、1週間の休暇の後彼らはアンドリューの元で(主に才人に対して)特訓の為の強化合宿があった。その間に各フォートレスは地上へ戻ってクルーたちの休暇も併せて修理・補給などを交代で行い、ドラグーン・フォートレスがちょうど地上に降りている頃だった。玲也達がやってきた理由はドラグーン・フォートレスにてジェラフーへ配備される予定の3人のプレイヤーとのがあったからだ。エジプト、ケニア、オーストラリアの3人と顔合わせだが、エジプトのロディは尊大な態度で玲也を見下しており、ケニアのベルレーは野生で育った10歳の少年故にもう自由奔放にやりたい放題やっている。最後にオーストラリアのステファニーは自然ばかり観察している不思議キャラと……まともな人がいないような事を玲也が悩むが、ニアからはあんたに言われると世も末と突っ込まれた。


・一応彼ら3人も既にある程度の訓練は受けているらしいようだが、ロディがこの場を仕切るのは自分だとのスタンスをあらわにしている。玲也はまず彼らの力量を試すことから始めたいと、3対3の模擬戦で先に2本とった方が合同訓練の主導権を握るとの形で話をつけることにした。これにロディが自分の力を見せつけてやるとばかりに一番手に出ると、玲也は才人を最初にぶつけることにした。この指名に彼は驚くが、ロディのロクマストとはスペックに差はないから大丈夫だと激励する。それはスペックでは相手が劣る時に言うべきだろと彼は突っ込み返すが、イチは玲也が自分たちの事を指名しているのだからやるべきですよとその気満々。誰が最初に行くかでもめる様子にロディは苛立ち声をあげるが、玲也は才人を行かせながら「自分が相手をするほどの力はお前にないと思った」と軽く挑発する。才人がシミュレーターに乗るまで心配そうにこちらの事ばかり見ていたが、玲也は「俺が向かわせた意味を気づけ」と言いたげな表情をしていた。


・かくしてシミュレーターでの模擬戦が始まる。ロクマストに対してスフィンストは相手の出方を見計らおうとしていた。イチが攻撃に出なくて良いのかと尋ねるも、才人はアンドリューから自分が猪突猛進に走りやすいとさんざん指導されていた身だから、一息をついてから動くことも大事だろと突っ込む。最もすかさずロクマストがリーンフォース・ランサーを手にしてこちらへ突っ込んできた。これにスフィンストが慌てるようにドリルランサーを手に取って反撃しようとするも、これはロディのフェイントで、すかさず右手からのリーンフォース・ウェーブを展開してスフィンストの動きを電磁波で止める。この至近距離からの距離で動きを止められたらマズイと才人は慌てる。動きを止めた時にランサーで貫こうとしているのではとイチが推測すると、ヴィータストなら空を飛んでこの危機を回避することが出来ないと一瞬才人の脳裏に過った。最も空を飛ぶことが出来ないスフィンストだが、今の状況からだと逆に地中へ潜行して回避することが出来るかもしれないとの事。二人は慌てながらもスフィンスト・ダイバーへ変形。このドリル戦車型へ変形して地中へ潜行する体制を作るとともに突っ込まんとしていたロクロストの体勢がよろめく。この隙を狙ってすかさずファントム・ブレイクを射出。彼の顔面目掛けてぶちかました上に、ホーミングミサイルポッドを一斉掃射する。これによりウェーブによる拘束から逃れたスフィンストは地中へ潜行する。これで地中から相手を不意討ちすることが出来るかもしれない――イチは好機と見たが、才人はまだ有事に備えてホーミングミサイルポッドをカメラポッドへ換装したことを活かさないとの事。ホーミングミサイルポッドに紛れてカメラポッドを2機スフィンストは射出しており、カメラポッドの映像からでは既にロクマストは地上にはいないこと。おそらく得意フィールドの湖に移ったのかもしれない。二人が確信した直後にカメラポッドを気づかれたか破壊されてしまった。イチは相手が地上へ向かうかそれとも水中に向かうかについて迷った。だが才人は先に安易な手段を取った方が負けるとみて、敢えてロクマストの得意戦局を利用しようと賭けに出た。それは湖に姿を現すことであり、この時を狙っていたかのようにロクマストのトーペドーが火を噴く。これをシュレッダーのシールドモードで耐え凌いだ直後に、ランサーを突き付けんとするが、すかさずシュナイダーをカッターモードにして胴体を真っ二つ……にしようとしたところで勝負ありとの判定が出た。


・ロディは負けたことを言い訳のように誤魔化すが、それとは関係なしに玲也は才人へだから勝てただろうと励ます。シャル曰く今までのデータからロクマストの戦闘パターンが決まっていたから僕だったら楽に倒せると指摘するが、それも才人も彼に勝つことが出来たじゃないかとの彼女なりの称賛だった。アンドリューとの特訓で才人にも戦いの駆け引きが出来るようになったのだと……玲也はこれでもう主導権を握ったも同然だと先ほどまでリーダー然しているロディへ敢えて挑発するが、今度はベルレーが戦いたいとの事。最もヒロアはここで勝負を決める意味で2対2にしないかと提案する。つまりこの勝負に勝った方が主導権を握る側が決まるとの事。才人は自分が勝った意味があるのかわからないと戸惑うが、玲也は1人より2人と戦った方が手っ取り早いと、シャルともども受けて立つことにした。


・かくしてベルレーのサンディスト、ステファニーのユーストとの対決が始まる。玲也はネクストを選んで出動した。新たに強化されたネクストはグレーテスト・サークルを背中に備えたことで飛行が可能となっている。最もユーストもまたダブリューコンドルをサブフライトシステムとしてサンディストに与えており、実質空中戦で激突……するかと思われた。ヴィータストがサンディストにとって不安定と思われる足場のダブリューコンドルを狙おうとしたのだが、自分から先にサンディストが足場から地上めがけて飛び降りる想定外の事態が発生したのだ。これに地上の標的をめがけてヴィータストがエネルギーキャノンを展開するも、土壇場でサンディストがアンカークローを射出してヴィータストの足にアンカーを突き刺して地面にたたきつけられるのを避ける。それどころか必死に宙で暴れながらヴィータストを地面に引きずり込もうとしていたのだ。ネクストが彼のアンカーをアサルト・シュートで断ち切るのだが、必死に上昇しようとしていたヴィータストが浮上した所を、ダブリューコンドルが放つタイタニック・スパーカーがヴィータストをめがけて放たれる。間一髪ポータルシューターをパージして地上へ回避するが、今度は地面からサンディストがとびかかってヴィータストをかみ砕かんとしていた。そこで玲也がシャルにコンバージョンを指示。空中で飛行している状態でアサルト・スタンバーに変形したヴィータストがネクストに合体。バルカンを連射しながらヴィータスをと怯ませてスタンバーを刺さんとするも、サンディストはすかさず後ろを振り向いてドリルビュートですれ違いざまにネクストの肩を狙わんが、グレーテスト・サークルのサブアームがドリルビュートをはじいた隙に、サイレント・ブローをすかさずサンディストへ突き刺す。そこからさらにスタンバーをサンディストの胴体を突き刺し戦闘不能へと追い込んだ。


・ベルレーの戦いは彼の直感と勢いによる操縦を、ヒロアが的確にフォローして相手に読まれづらいトリッキーな戦法だった。一方ステファニーは戦闘時には凶暴な性格へ豹変し、サンディストを制した直後のネクストに向け、ユーストが真上からタイタニック・フェザーウィングを展開しながらすれ違いざまにグレーテスト・サークルを切断してみせた。この為地面に落下しようとするネクストをユーストのクローが両肩につかみかかり高熱で両腕の動きを封じた状態で地面へ叩きつけようとした。しかし地面にたたきつけられるすれすれでヴィータストがエレクトリック・トンファーと連結したエネルギーキャノンでユーストのクローの付け根を直撃する事に成功。両腕を封じられてユーストから落ちようとしているネクストはアサルト・ハーケンを背中から土壇場で展開し、ユーストの胸部を突き刺して機能を停止させるのだった。


・まるで怖いもの知らずのような2機の戦いっぷり。戦い終わればベルレーは凄い面白かったと玲也へ懐いているが、戦いを遊びとみなしては困ると内心複雑な心境、だがそれ以上に再び元の不思議っぽいキャラに戻ったステファニーからはキスをお見舞いされるとの事態にニア達は驚愕した。これで再びヒロイン同士の争いに火が付く……が、その間もなくプロテクト・ベルトが攻撃を受けているとの報せが届いた。そのうえ休む間もなく上空に7大将軍の姿が映し出される。バグロイヤーの太陽系前線部隊が敗退したことに伴い、今電次元側からバグロイヤー七大将軍が彼らに代わり地球侵攻に乗り出した事。七大将軍とハードウェーザーのどちらが先に滅ぶかまで逃げることは許されないと覚悟をせよとの宣戦布告が行われた。新たな敵が現れた……そして今プロテクト・ベルトを襲う正体不明のハードウェーザーとイーテストが戦っているとの事であり、さらにジラファーが何者かに乗っ取られて電装マシン戦隊に反旗を翻したらしい。玲也はすかさずブレストで早速アンドリューの元へ転送する。


・イーテストは幸い無事だった。玲也の到着にアンドリューは安堵の声を漏らしつつも、今目の前で戦っている相手が相当な強敵だとの事。その強敵ウィンダストの放つパルサー・ソーサーをブレストのカウンター・ガードサークルが食い止める。その折ブレストの姿を前にウィンダストのプレイヤー・ガリオはブレストに羽鳥玲也が乗っていると確信して闘志を燃やしつつ、電次元マントルパンチャーをぶちかまされ早々に右腕を砕かれてしまう。このウィンダストは何者だろうか……⁉

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