山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』

https://www.youtube.com/watch?v=2bJe5vYkgCM&t=60s


映画のこのシーンの永作博美、すごく好きです。


山崎ナオコーラの小説を読むというのは、旅行にいったときに、現地で売っている天然水のペットボトルを飲むような気分だ。

いつも飲んでいるヴォルビックとはなんとなく違う、うまい。しかし僕は味音痴なので天然水がどう違うかうまく説明できない。でも、うまい。


言葉は簡潔、そして語られていない部分が一番重要。そもそもあの人はなんで主人公から離れてしまったんだろう。ただ通り過ぎてしまっただけのようにも思える。だとしたらこんなの、物語にしなくてもいいじゃないか。違う。物語でしか表現できなかったのだ。

山崎ナオコーラの描く、無個性だが個性的。つまり、まわりにたくさんいる、モブとしか認識していない人々の無限の可能性が、まぶしく、やっかいなくらいに胸をうちます。


短編集『手』(文庫タイトルは『お父さん大好き』)に収録されている作品に、お父さんが耳を悪くした浜崎あゆみの報道を観て、「あゆかわいそう」というシーンがあります。ほんとうに、なんてことのない場面なのに、読むたびに、目頭が熱くなります。なんでなんだろうなあ、日常の美しさ、という言葉では伝きれない情報が、行間とページの空白にあるようにしか思えない。

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