第三十話 衝撃的です

 城主と幼なじみってことは、この近くに住んでいたのかな。


「セイゴの家系は代々城の城主に仕えるのが習わしになっているので、必然的に幼なじみになったのです」


 私の心を読んだのか、ツバサさんは教えてくれた。

 代々仕えているって、なんか側近のようなものなのかな。

 セイゴさんのイメージが一気に変わったような気がする。


「そういえば私、未だに城の主さんと話をしていないのですが、大丈夫なのでしょうか……」


 そう、未だに私は城の主の人とは会話はおろか、顔もみたことがないのだ。

 城主さんに挨拶もせずに、のんびりとこんな素晴らしい所に居座らせてもらっているなんて、本当に図々しいと思う! 一度挨拶はしておきたいってずっと思っていた!


「残念なのですが、我が城の城主は今、他国との会議の為に世界を転々としているため、城にはいないのです。今はセイゴが仮の城主になっております」

「仮の城主って……セイゴさんってそんなに凄い人なんですか?」

「えぇ、地位は城主の次といっても過言ではありません」


 ちょっと待って! 凄い人だった! あんな木の上で寝ているような人がそんな凄い人だったの!?

 地位が城主の次って、どれだけ位が高かったんだあの人は。


「あの、ちなみにツバサさんは……?」

「私ですか? 私は、うーん、セイゴの右腕という感じでしょうか」


 少々考えた後そう言ったツバサさんは、どこか照れくさそうだった。

 右腕だって! それでも結構な地位ですよね!

 ヤバい、私凄い人たちに囲まれて生活をしているのかもしれない。

 一歩間違ったら、即首を跳ねられてしまうどころの話じゃないよね!?

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