作者さまが創作のコツや心がけていることなどを、ナイショで(?)わかりやすく教えてくれる創作論エッセイです。
ユーモアを交えた優しい語り口が読みやすく、ふむふむナルホドと頷いたり、時にクスッと笑わされたりするうちに、書くことへの意欲が沸々と湧き上がってくることでしょう。
そして最後に問いかけられるのです。
「で、皆さんはどうです?」
エッセイ本文はもちろん、コメント欄にも作者さまからの問いかけに真摯に向き合う皆様の ” 創作あれこれ ” が溢れています。
「そう、あるある!」と膝を叩きたくなったり、共感しすぎて「同志よ!」と握手したくなったり。かと思えば、そんな方法論が! と目から鱗だったり。あんなに面白い作品を書かれる方も、こんなふうに悩んでるんだ…と親近感を持ったり。
そしてそれらに対する返信の一つ一つに、温かく包み込むような優しさが満ちている。思わず「師匠、着いていきます!」と言いたくなってしまいます。
コメント欄込みで完成となる、異色の創作論エッセイ。まずは目次だけでもざっと見てみてください。ね? 面白そうでしょう?
「物語を書くのって、やっぱり楽しい!」と改めて感じられること請け合いの作品です。
『ナイショ話』というタイトルからは想像できませんが、小説を書くことに関して綴られた創作論の大作です。
作者様本人が、いわばホストとして小説を書くことについて語りかけるのですが、それに対する数多の読者たちの解答が凄い。質、量ともに、膨大です。
創作論は100人の人間がいれば、100通りの手法があることでしょう。本作はそれらのほんの一部を紹介しているだけに過ぎませんが、それでもかなりの読み手の方が、それぞれのスタンスをコメント欄において開陳しておられます。
読むだけでも楽しいし、得るもの少なくない。そして、ここに参加して、自分のやり方考え方を披露するのも楽しい。
小説を書くこと。その難しさ、つらさ、そして楽しさ。おなじ苦楽をともにする仲間が、たとえ交流がなかったとしても、ここにはたくさんいます。
どうぞ、みなさんも遠慮なく参加してください。どうせただのナイショ話ですから。
こちらの作品は温和な知人の宅にお邪魔して、お茶などを頂きながらゆったりと話すようなアットホームな雰囲気があります。これは作者様が醸し出す雰囲気そのものでもあります。
ご自身が創作を楽しみ創作について真剣に考える中で、自然に生み出された場のようにも感じられます。しかし、多くの人と共に創作を楽しみたいという想い、創作について真剣に考え他の人の考えを聞いたり考える場を提供したいという想いが芯にあるのではないでしょうか。
それぞれのエピソードは全て、作者様の『問』とご自身の考えで構成されています。読者はそれについて考えるきっかけを受け取ることが出来る。創作について、自分を掘り返してみたい人に特におすすめです。
なんだかコメント欄がこの作品の本番では?とすら思える活気に満ちています。
先に読まれた方々が書き込んだ、それぞれの考え(コメント)もとても勉強になり、それに対して紳士に返事をする作者様のコメントも素敵で、本編&コメントを読み進めると中々のボリュームで、とても充実感があります。
一作品でも何か書いたことのある方は、もしくはこちらの作者様の作品を一つでも読んだ事のある方は、この創作論・エッセイを一度手にとってみては如何でしょうか?