43.Tagoto
マナが戦いの終了を告げる。
「サキ、倫乃介、あなたたちの勝ちです」
魔導師が崩れ落ちた。今にも号泣しそうな顔を浮かべて、サキに鍵を渡した。
サキは魔導師から受け取った鍵を手に、光の塔に向かって歩き出した。塔の扉が開くと、サキはその中に足を踏み入れた。
光の塔の中は眩しいほどの輝きに包まれていた。サキの心は高揚し、勝利の喜びと同時に使命感が湧き上がってきた。彼女は鍵を光の源に差し込み、タキオンの転送プログラムを解除するための儀式を始めた。
儀式が進むにつれ、光の塔は徐々に太陽のような白色に変わっていった。その輝きはまるで新たな未来への道しるべのようだった。
サキは息をつきながら、光の塔の中央に立ち上がった。「私が陽子の罪を背負います。ここからは少しでも東京を回復させるために、罪を軽くする努力をします。」
その言葉が光の塔に響き渡ると、光の塔が一層光を強めた。夜明けだった。
サキは感謝の気持ちを込めて陽子を抱きしめた。そして、彼女は倫乃介に向かって別れの言葉を告げた。「ごめんね、倫乃介。私たちはここでお別れ」
倫乃介は別れを惜しむ表情でサキを見つめながら、妹のことを思い出した。「妹をよろしく。彼女はきっとあなたの力に触れることで成長できるはず。」
サキは佐藤に微笑みながら頷き、彼の言葉を胸に刻んだ。そして、彼女は光の塔の頂上へと向かっていった。
足元から力強い光が湧き上がり、サキは天に昇っていく。彼女の姿は天使のように輝き、光の中に吸収されていく。
地平線が光で覆われる。地平線の明るさが増す。光の塔は光を失い、消えていく。
アマガハラは光に包まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます