森で王子を拾ったら。~癒しの魔女と魔法使い~

作者 ゆずりは

20

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★★★ Excellent!!!

主人公の女の子、シアラが森で助けた金色のネズミは、実は魔法で姿を帰られた王子様でした。
まるで御伽噺のような入り出し。さらにネズミの王子を追ってやって来たのは、シアラが十年前に出会い、恋をした魔法使い。ドキドキのファンタジー物語のスタートです。

しかしこのお話、ただの胸キュンストーリーではありません。王子をネズミの姿に変えた悪い魔女がいるのです。そして魔女の次なる標的は、シアラの最愛の魔法使い。
周りの人達を不幸にさせない為、魔法使いはある決断をするのですが、それはシアラの望まない選択でした。

魔女に苦しめられながら悩み、怒り、絶望するシアラ達。それでも信じるものの為に奮闘する姿は心が震えました。

★★★ Excellent!!!

魔女、呪い、ネズミに変えられた王子様――。
そこだけ切り取ると、まるで絵本に描かれた御伽噺ですが、本作は絵本よりもずっと重厚な物語です。
何が重厚かというと、特に登場人物の置かれた境遇や心の有り様の描かれ方です。
丁寧な描写は見事なものだと思います。
人は生きていれば悲しいことがあり、挫折することがあり、それでも生きていかなくてはならないから現実に立ち向かいます。
しかし人一人の力はか弱いもので、だからこそ誰かの力になりたいと思う。
そして、これを人は愛や勇気と呼び、今風(?)に言えば『尊い』と表するのでしょう。