八月の悪夢〜大学生プロファイラー・蒼の事件簿 2〜

作者 貴堂水樹

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★★★ Excellent!!!

大好評だった大学生プロファイラーシリーズの第2作です。

制限時間が限られた中で生まれる緊張感と、登場人物が互いを思いやる愛情の深さは前作そのままに、今回は新たな境地を見せてくれました。
銀行立てこもり事件という閉塞的な状況の中で、とびきり優秀な4人が解決に向けて動きます。
ヒヤリとさせられる場面や、息抜きとなるコミカルな場面の緩急が秀逸で、読者を疲れさせることなく、まるでジェットコースターのようにラストシーンまで連れていってくれます。
読み終えた時には、ほっと安心……かと思えば再び不穏な空気がっ!?
――とまあ、休む暇もなく次回作に期待させられてしまうという引きの強さもまた本作の魅力でした。

本作の魅力といえば、心理学の知識も外せません。
クライマックスでは、これを駆使したシーンが登場します。
知識欲が満たされる快感と、犯人を追い詰めていく緊迫感を同時に得られるのも本作ならでは。
必読です。

★★★ Excellent!!!

 前作「殺人珈琲店の怪〜大学生プロファイラー・蒼の事件簿」の第2弾です。今作も前作と同様に、蒼をはじめとした4人がそれぞれの能力を存分に発揮し、事件解決に奔走します。

 前作では被害者の一人であり、ベッドで寝ていただけ(ごめんなさい…)の橙花が今作では大活躍します。ほかの3人とは異なり、際立った特殊能力があるわけではない橙花ですが……実は身近にいると一番怖い存在かもしれませんね。肝の座った橙花がとても魅力的に描かれています。

 大学生4人組が事件を解決する一見すると爽やかな物語ですが、ダークでビターな後味が次回作でのさらなる展開を期待させてくれます。本作だけでも十分に楽しめますが、登場人物の魅力をよりよく知るために、やはり前作から入るのをおすすめします。

 リアルな舞台設定と緻密に練られた物語のなかで描かれる、個性豊かなキャラクターたちの活躍に触れていると、彼らが名古屋のどこかに本当にいるのではないかという夢想に駆られてしまいます。蒼たちはいまごろなにしてるんでしょうかね?(笑)

★★★ Excellent!!!

シリーズ第二弾。またあの四人が大活躍!

やはり魅力はアツい展開ですね。犯罪というものが許されない性分で、ましてや前作でも命に関わるほどの事態に陥ったせいか、蒼達はより一層事件解決へと熱を入れてきます。特に健なんかは。

事件発生→謎解き→解決。これがミステリーにおいて基本的な流れですが、そのどれかが不足、過剰になったりしてしまいがち。しかし、作者の巧みな構成はベストな配分で、流れが止まるどころか次へ次へと読む手が進まないのです。それを担っているのは二つの視点からの同時進行でしょう。

銀行に閉じ込められた健と橙花、外にいる蒼と朱里。それぞれの緊迫した空気を如実に描き、時にコミカルに仕上げているので飽きがこないんです。

ミステリーとして完成度の高い本作。読んで損なし。今すぐにでも読んでみてください。