アンドロメダが爆発した。


爆発はオオダコムーのむき出しになっていた回路にリークし、オオダコムーは、自分の最期が唐突に訪れたことを知り、怒りと苦痛に断末魔の叫びを上げた。

「う、うぉ、おおおっ! イ、イシスーーーっ!」


アンドロメダとオオダコムーは、抱き合うようにして吹き飛んだ。


博斗と快治は爆風でレッドアローから放り出された。


レッドアローは校舎の壁に激しくその身をぶつけ、アンドロメダと比べれば控えめな爆発を起こして、残骸の部品を辺りに散らした。


快治もろとも地面に突っ伏した博斗は、レッドアローの最期に、唐突に涙をこぼした。


「…ありがとう」

その言葉だけが口をついて出た。

こんなくだらない人間同士の戦いのために、わざわざ犠牲になるなんてな…。


そして、アンドロメダも。

アンドロメダを自爆させたおかげで、オオダコムーもまた爆死した。


だが…。

確かにそれは、取るべき選択だったのだろうし、博斗達に他に攻撃方法がなかったというのも事実だ。

しかし…。


どうしようもない無力感が身を締めた。


レッドアローから目を転じると、校門から入って少しの広場に、アンドロメダの、もはや原形をとどめていない残骸が山のようになっていて、その残骸と抱き合うように、焦げたタコ焼きの状態となったオオダコムー=ホルスの死骸が崩れている。


爆発の壮絶さを物語るように、破片はあっちへこっちへと散乱していて、黒い手裏剣のような焦げ跡がついている爆心地には、逆になにも存在しなかった。


とにかく、ホルスがくたばったことは疑いがないようだ。

これまで、あまたの怪人を造り送りこんできたプロフェッサー・ホルスは、これで死んだわけだ。


博斗は考えた。

ホルスが死んだとなると、ムーはこれ以上怪人を造ることが出来ない。

これからいったいどう動いてくるのだろうか…。

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