11
スクールファイブが地面に着地すると、爆発の跡からシータが傷ついた姿で現れた。
レッドは息を呑んだ。
「ま、まさか…まだ倒れない?」
シータは、地面に転がっていた剣を拾い、それを杖代わりにして体を支え、はっきりとした声音で言った。
「いや。充分に堪えたさ…。さらに全体のスピードアップを計り、ボールの取り回しのパターンを複雑化しろ。そして、ボールにこめる念をさらに高めろ。充分に神官どもに太刀打ちできる。私が保証する」
レッドは、他の四人を制して前に出た。
「シータ…」
「どうする…? 私を倒すか?」
「いいえ」
レッドは首を振った。
「あなたの真意はよくわからない。でも、いまこうして身を犠牲にしてスクールスティックの完成に力を貸してくれた。それに、白百合仮面としてあたし達を何度も助けてくれた。だから、いまは、あなたと戦おうとは思わない。それで、貸し借りなし」
「なるほど…。恩に着る」
シータはうなずいた。
「戦え、スクールファイブ。攻撃はさらに激しくなるだろう。だが、それはすべての終わりが近いことをも意味する。自分達の力と、そして、博斗の力を信じるがいい」
「…わかったわ」
「こっぴどくやられたものだ」
傷ついた鎧を示して、シータは笑った。
「しばらく姿を消して体を休めるとしよう」
その言葉を最後に、シータは五人の前から姿を消した。
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