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博斗とひかりは、部屋に躍りこんだ。

二人はそこで、荒れ果てた部屋の様子とスクールファイブを見い出した。


辺りに石塊が飛び散り、壁にも床にも大きなへこみが見られる。

神官の姿は跡形もなく、ホルスやピラコチャの姿もない。


五人と二人は、別れてからのそれぞれの情報をお互いに交換した。


博斗は、シータの死にショックを受けた。

敵だとは言え、シータには、なにか心通じるものを感じていただけに、そのあっけない死は博斗の心を揺らした。


スクールファイブを助けたという白百合仮面も気になった。

「いったい何者だろう」

博斗はひとりごちた。

「ひとまずは味方なのか。だが、そんなとんでもない力ってなると、ちょっと油断できないな」


ひかりは、五人の話を聞き終わってから、辺りの石の山を見てまわっていたが、やがて、大きくため息をついた。

「ホルスにしてやられました。ホルスの狙いは、四神官のコアを取り出すことにあったのです。そのため、石像に充分な力を与えないまま起動させ、スクールファイブを利用してわざわざ石像を破壊させたのです。すべて、私の計算違いでした。ホルスに負けました」


「気を落とさないで、ひかりさん。奴らが強くなるんなら、俺達はもっと強くなればいい。なあ? 勝負はこれからだよな?」


博斗の視線を受けた遥は、左右の仲間達を見渡した。

誰も何も言わなかったが、遥はうなずいた。

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