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と、目前のスピカムーの胴体が斜めにスライドし、下半分から上半分がずるずると滑り落ちていった。
スピカムーの上半分は、そのままガコンガコンと床に転がり、恨めしそうに両手を博斗のほうに伸ばしたが、力尽き、ばったりと手を落とした。
死んだのは、スピカムーだ。だがなぜ?
答えはすぐにわかった。
スピカムーの残された下半分の向こう側に、剣を斬り終えたまま動きを止めている黒い姿が見えた。
シータだ。
博斗は目を疑った。自分の見たものがどうにも理解できない。
どういうことだ?
シータが、スピカムーを背後から袈裟懸けに斬り殺した。
なぜ?
なぜ、幹部が怪人を殺したんだ?
なにが起きたのかさっぱりわからず、博斗は呆然としていた。
ただ、一つだけ確かなことは、ひとまず、博斗の命は助かったということだ。
博斗は、シータからゆっくりつきつけられた剣を見ながら、かすれた声を出した。
「なぜ、怪人を斬った? なぜだ? なぜ味方を斬った?」
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