第二十二話「否定NO!NO!NO!」暗記怪人タンゴムー登場
第二十二話「否定NO!NO!NO!」 1
遥は帰途をたどりながら考えていた。いよいよ明日から中間テスト。ベストは尽くしたかって聞かれると、ちょっとハテナマーク。二日目の英語が最難関よね。
目先のこのテストを乗り切ることが自分の最優先課題だということぐらいは、わかってはいるはずなのだが、いざ鞄から教科書とノートを取り出そうとすると、一緒に突っ込まれている陽光祭のファイルに目が向いて、いつの間にかタイムテーブルをチェックしている自分に気が付いたりする。
だいたい、陽光祭の準備の間に中間テストをはさむような無茶なスケジュールを組む学校が悪いんだわ、と八つ当たりをしようかとも思ったところで、先代までの会長達はしっかりと陽光祭を成功させてきたことを思うと、自分の無責任な言い逃れにすぎないのだと、自らに言い聞かせるしかないわけである。
いままで、ちょっと混乱した年こそあっても、陽光祭が失敗したという年は聞いたことがない。それがなおさら、遥の心にプレッシャーとなってのしかかってくる。
これまでの傾向からいって、ムーはご丁寧にも遥達の忙しいときを狙って攻撃をしてくることが多い気がする。つまり、陽光祭の前日準備や当日こそ、ムーの襲撃にあう可能性がいちばん高いということになってしまう。
体育祭のときみたいな失態は許されない。生徒会長としてのプライドにかけても、そして、なにより、陽光祭を待っている多くの人たちのためにも。
できることなら、まったく、テスト勉強なんかほったらかしてどうにかしたいと思うものだが、ほったらかしても大丈夫なほど成績がいいわけでもない。
遥はため息をつきながら、自宅への道を急いだ。
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