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三十分ほどが経ったと思われる頃、遥と翠が戻ってきた。

「どうだった?」

「ぜーんぜん駄目です。いちおう、ひと通り校舎のなか歩き回ってみたんですけど、鳴らないです」


「わたくし、やっぱり怪人が数え間違えたんだと思いますわ」

「あたしは、この探知器が故障してるんだと思うけどなあ。なんたって、桜の作ったメカだからねえ」

「失礼な。僕のメカは完璧だよ」


博斗は、探知器を受け取ると、再びスイッチを入れてみた。

鳴らない。


「やっぱり、壊れてるんじゃないのか? さっきは反応したのに今度は反応しないじゃないか」

博斗は床の爆弾のカスを示した。


桜は探知機を受け取ると、カバーをあけ、中を調べた。

「故障なんかしてないよ。ちゃんとしてる」


「じゃあ、やっぱり十三個目なんてないんじゃないの?」

「タイムーが、爆弾の数を間違えたのだと思いますか?」

由布は眉をひそめた。

「わたしは、そうは思えないのですが…」


「しかし、たしかにムーが触った時計はすべてチェックしましたから。あとは、グラウンドの時計以外のものに仕掛けられているとしか思えませんが…」

「グラウンドねえ…。でも、グラウンドなら、いいんじゃないかな」

桜はうなずいた。

「どうして?」


「グラウンドにはいま誰もいない。ムーが仕掛けた爆弾は、さっき調べた感じじゃあ、せいぜい半径三十メートルぐらいの爆発しかもたらさない。つまり、もしグラウンドで爆弾が爆発しても、被害を受けるのはグラウンドの物体だけってわけさ」


「なんだ、誰も傷つかないのね」

「そういうこと。それに、十三個目なんて、はなから存在しないのかもしれないし」


「それなら、話は早いですわ。さっさと怪人を見つけ出して、倒すとしません?」

「賛成。怪人の居場所を教えて!」


「ほんとうに、それでいいのでしょうか…。わたしは、不安です」

由布が漏らした。


博斗も、まだ半信半疑だった。さっきから、なにか気になる。なにか。


「いた! 屋上!」

遥は左腕を突き出し、スクールレッドに姿を変えた。

翠と桜がそれに続き、ためらいながらも由布も続いた。


「あれ? 燕は?」

レッドが、ようやく、燕がいないことに気づいた。

「トイレ」

グリーンが言った。


「あちゃ~、せっかくこれから盛り上がっていいところなのに、調子狂うわね」

「ま、とりあえず四人でも、なんとかなるさ」

四人は司令室を飛び出した。


「キャップ?」

ひかりが博斗に声をかけた。

「うん。十三個目は、どこにあるんでしょう? 俺は、どうも、タイムーが数を間違えているとは思えないんですけど…」

「ええ…」


「うーん…。仕方ない。もう一回、探してみます」

博斗は、探知器と振動式分子破壊光線砲をつかんだ。

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