博斗は手をかざして太陽を仰ぎ見た。

絶好の合宿日和だ。

願わくば、この天気が三日間続きますように。


「むおおっ!?」

運転席のドアを開け、首を突っ込んだ博斗は、おもわずのけぞった。

強烈な熱気が博斗を襲う。


「…にしても、なんだって俺が運転しなきゃなんないんだ。今回も電車にすればよかったのに…」

博斗は愚痴りながら荷物を中に積み込む。


「はいはい、文句はあとあと。乗った乗った」

桜が皆を手招きした。


やってくるのは生徒会の五人、ひかり。

ここまではいい。しかし。

「どうした、浮かない顔をして?」

なぜに理事長までついてくるのか。

…俺ってそんなに信用ないんだろうか。


五人はめいめい、後部座席に乗った。

「ひかりさんもこっちにおいでよ」

桜がひかりの手を引いた。

「でも…」

ひかりはちらりと博斗を見る。


「いいからいいから。…博斗せんせには、お似合いの人がいるよ」

助手席のドアを開け、理事長が乗り込んできた。

「げっ!」

「なにか不満かね?」

「いへいへ、めっそうもございません」


「みんな乗ったよね? 荷物も、いいよね? んじゃあ、いざ夏合宿に、しゅっぱ~つっ!」

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