解剖

どうもうきわまる死病への えんとやらが腎臓である

れつをきわめる飢餓とやらへの れんびんこそがすいぞうである

しようけつきわまる衝突たちへの こうがいこそがぞうであって

ほうはいきわまる戦争たちへの 憤怒とやらが肝臓である


天地のかいびやくよりこなた 巨万の悲劇をかんした

りようえんきわまる久遠への そうとやらが左肺であって

文化のれいめいよりこなた 巨億の愚行をはるかす

ぼうばくきわまる宇宙への 絶望こそが右肺である


そして、無常に生滅しながら

とうのごとくに氾濫し 破滅へむかってりんをつづける

森羅万象すべてへの えいごう不滅の愛とやらが

るいじやくながらも然とあるべき わが魂の心臓である


沈黙しながらしゆんどうしている れんにいろめく愛とやらが

もうろくしてゆき停止をしたとき わが魂は絶命しようぞ

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