第105話 警戒され過ぎた?
ポイントはファイブ・ラブ。
サービスを受けるのはローランドさんだ。今まで色々揺さぶってきたが、ロングサービスはきっとスマッシュ打ってくるんだろうなぁ。
ここまでストレートできているから、魔力も余裕はあるしあえて打たせてもいいか。
よし。そうと決まれば後は突き進むだけ。
ースッパーン。
「うらぁぁ!!」
ーズパァァン!!
相変わらずだなーっと思いつつ、予想通りのスマッシュに難なく追いつく。
魔力さえあれば追いつく事もなんて事はない。
ラケットが弾かれない程度に魔力を込めて、勢いをころして俺はヘアピンを打った。
ーピン。
「にゃ!」
ーパン。
そのヘアピンに対して反応出来たのは良かった。だけどロブは先輩の…
ーヒュン…ズパァン!
「シックス・ラブ。」
「どこからでもくるのぉ!?」
「ふふ。甘いよリコちゃん。」
今の先輩はロブやクリアは全て撃ち落とすであろう。こうなると警戒して前で勝負してくるものだけど。
ースッパーン。
ースパ!
ーピン。
ーピン。
ーパシュ!
「セブン・ラブ。」
少しでも高いヘアピンであれば俺が打ち込む。
「ヘアピンはどうにも力加減が難しいんだよな。」
「ローは力み過ぎなのぉー。こう、スパ!って切り込むんだよぉ……きっと。」
ースッパーン。
ーズパァァン!!
さっきはヘアピンだったから、今度はここにドライブっと。
ースパ!
「っとと。」
ーパーン。
「「あ。」」
ーヒュン…ズパァン!
綺麗に2人でハモった。だけど上げてしまったものは先輩がきっちり打ち込む。
「エイト・ラブ。」
「んーどうすりゃいいんだ?」
「ロブとクリアしないかぁ…拾えばいいんじゃないかなぁ?」
ローランドさんとリコさんはお互いに考えて相談している。その声が大きいから俺にもよく聞こえてしまうのはどうかと思うけど。
ースッパーン。
ースパ!
ースパ!
ースパ!
ーピン。
ーピン、がさ。
「ネット。ナイン・ラブ。」
「あとちょっと…むぅ。」
ースッパーン。
ーズパァァン!!
ーピン。
「っほ。」
ーピン。
ーピン。
「っほ。」
ーピン。
ーくい、ピン。
「逆!?」
ーパン、がさ。
「ネット。テン・ラブ。」
ーすたっ。
ロブの音に反応して飛んでいた先輩が降りてくる。
「(翔くん、翔くん。)」
「(はい。どうしました?)」
後ろから先輩が小声で俺に話してくる。
「(どうしよう。私の所に来ないよ!)」
「(…そうですね。)」
どうにも今の陣形でハマっては入るんだけど、先輩が打てなくてそわそわしてきた。このままのペースでいきたいが、先輩のテンション下がるのは何とかしたいしなぁ…。
「(逆サイドにきたドライブは任せてもいいですか?)」
「(うんうん!やるやる!)」
これで暫くは大丈夫だろう。後はドライブを打たせるようにするだけ。
「リコさん。準備はいいですか?」
「え?あーうん。いいよぉ。」
ースッパーン。
ースパ!
ドライブは打ってきたが俺に返ってきた。そのままリコさんにドライブで返す。
ースパ!
ースパ!
ースパ!
ースパ!
んー逆サイドに打って来ないなぁ。ローランドさんに振ってみるか。
ースパ!
「今度は俺か!」
ースパ!
ースパ!
ースパ!
何でだ?俺にしか返って来ないけど。今更だけど左右に振ってきたりしてないか。ちょっと取りやすいヘアピン打ったらどうなるかな?
ーピン。
ースパ!
ーピン。
ースパ!
これはただ続かせるだけだ。
ーパシュ!
「イレブン・ラブ。」
「…困った。」
リードはしているのはいいんだが警戒され過ぎた?試合に勝つにはいい流れなんだけど。後ろにいる先輩を確認しないでそっと左手を後ろに回す。合図を出して俺はサービスを構える事にした。
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