第47話 いいわよね?

「「ごめんなさい。寝てました。」」


リコさんとローランドさんが1時間送れてやってきた。

どうやら2人とも寝ていたみたいだ。

逆に1時間で起きてくるのは凄い気もするけど。


「2人とも寝てて、よく起きれましたね。」

「ヘレンさんから連絡がきたからな。」

「リコはきりんさんからきたよ。」

「…。」

「う、うん。あ、あとお使いを少し。」

「お使い?」


リコさんとローランドさんの後ろに見たことある人が。


「ガウルさん、皆さん困ってますよ。」

「おう?なんだ、バーチェルか。」

「あ、呼びに来た人だ。」

「先はどうもありがとうございます。私はサッカー部隊で副部長のバーチェル・サバンです。」

「私は宇佐美 和歌です。勧誘されてるのが翔くんです。」

「兵頭 翔です。バーチェルさん、よろしくおねがいします。」

「勧誘…兵頭さん申し訳ない。部長には言って聞かせますんで。」

「がはは!欲しいものは欲しいと言ってもいいだろう。」

「いいから、帰りますよ。部長がいないとミーティング進みませんから。」

「そうか。なら戻るとしよう。邪魔したな!」

「お騒がせしました、ではまた。」


ガウルさんとバーチェルさんが帰った。

嵐のような人だった。


「まったく。ガウルはいつもあーだから困るわ。」

「まぁまぁルカさん。」

「まぁまぁルカ姉。」

「ロー、リコが来るのが遅いからよ…」

「「ご、ごめんなさい。」」

「と、とにかくこれで全員ね。」

「ふぅ。まぁいいわ。そろそろお腹も減ったわ。」

「私もーペコペコだよー」

「和歌先輩。何か貰ってきましょうか?」

「翔。ローとリコに取りに行かせるからいいわよ。いいわよね?」

「「はい!いってきます!!」」


遅れてきた2人が食べ物を取りに行く事になった。

ルカさんが怖いから、俺は2人に任せようと思った。


「で、では…7人の。は、初勝利に。」

「「乾杯!」」


試合からの戦闘を終えて、いろいろ濃い一日だった。

昨日と一緒のメンバーで、同じような食事を取れて良かったと思う。


「しかし、翔と和歌はすごいよな。」

「んぐぐ?んーんぐ?」

「和歌先輩、飲み物です。ローランドさん、凄い?そーかな?ですって。」

「今の分かるのか…。いやな、2人って初戦闘である程度動けていたから。」

「あーそれ、私も思った。2人ともそういう訓練みたいのやってたの?」

「ルカさんもですか?俺達は別に何も。バドしかしてませんでしたよ。」


先輩はご飯に夢中だったので。変わりに俺が答えた。

凄いと言われたけど、部活以外は特に何もしてないしなぁ。


「和歌先輩は武術とか何か習ってました?」

「んーん。」

「俺からすると、皆さんの方が凄いですけどね。特に網野さんは。」

「え、え!?そ、そんなこと。」

「翔くん、食べなきゃなくなっちゃうよ。」

「わ、私の事はいいから。た、食べましょう。」


そう言って網野さんはリスのようにもくもくと食べ始めた。

俺も食べないと、皆に食べられてしまう…。

今は小さな祝勝会を楽しむ事にしよう。

話はそれからでも、出来るんだから…。

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