これにて夏回終わり!

「さてどこから行く?」


環がかなり楽しそうに聞いてきた。


「流れるプールでゆっk「ウォータースライダー行きたい!」


・・・どうやらしばらくゆっくりは出来なさそうだ。


「ウォータースライダーね。おっけ、確かここにはかなりおっきいのがあったはず」


「ウォータースライダーか・・・私、最後にプール行ったのって高校の時だったから、10年くらい前かな」


「だったら今、2・・・


その瞬間、後頭部に熱い衝撃を受け、意識が深い闇へと落ちていった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「・・・・・・」


「あ、やっと目が覚めた」


目を開けると、環が俺の方を見ていた。


「すまん、俺ってどれくらい意識飛んでた?」


「えっと・・15分くらいかな」


「そっか、それと2人は?」


「ウォータースライダー周回してくるって。私は1回で満足したから君のお守り」


「俺は子供か・・・てかそもそもどうして意識が飛んで・・うぐっ」


意識が飛ぶ前の記憶を思い出そうとすると、後頭部が激痛を覚えた。


「一体何があったんだ・・・?」


「あー・・・私も一応女だからね。ここは黙秘しとくよ」


女?黙秘?話が全く分からないが、とりあえず思い出すことは諦めた。


「君はどうする?ウォータースライダー行く?」


「まさか。まだ頭も痛いから、2人が戻ってくるまでここにいるよ」


「そっか・・・」


環は俯きながら、人差し指をくるくるとしている。


「何が嬉しいんだ?」


「別に何も嬉しくなんてないよ!」


「嘘つけ、環は嬉しい時に人差し指をくるくる回す癖があるんだよ。自覚ないのか?」


「し、知らないよそんなの!気のせいだから!」


「そうなのか・・・すまん」


一つまた環について知れたと思ったが、残念だ。


「楽しかったー!」


「本当に。久しぶりだけどやっぱり童心に戻れるわね。こういうのは」


どうやら2人が戻ってきたようだ。


「満足したか?」


「うん!君は頭の方大丈夫なの?」


「ああ、まだ少し痛いけど。一体何でこんな事になったんだろ・・・」


「さっき転んで頭打ったんだよね」


すると何故か千咲さんが高圧的に教えてくれた。


「本当ですか?・・・うーん、少し腑に落ちないなぁ」


「いやいや、本当に転んだだけだから。ね?2人とも」


「「はい!そうです!彼が勝手に転んだだけです」」


「え?さっき環答えられないって・・・」


「ごめんね。事実を知ったら恥ずかしいかと思って」


「う、うん・・まあいいや」


キュルルルル〜


すると誰かのお腹が鳴った。


「・・・お昼にしよっか」


「そうですね」


と言っても、あまりこういう所の軽食は好きではない。


「あ、今日私お昼作ってきたからちょっと待ってて」


千咲さんがそう言ったので、俺たちは千しばらく待つことにした。


「お待たせー。はいこれサンドイッチ」


そう言うと千咲さんはテーブルにサンドイッチの入ったバケットを置いた。


「早速貰っちゃいますね!」


するとすぐに凛がサンドイッチに手を出した。


「美味しいですよこれ!タマゴのトロトロ感がとっても美味しいです!」


釣られるように俺と環も、サンドイッチに手を出した。


「本当に美味しいな」


「うちのよりも美味しいかも」


環の問題発言はともかく美味しいのは事実だ。


「ふふふ・・・実はこの中にマスタードが入ったのが一つあります!」


「「「えぇ・・・」」」


俺たちは、お腹が空いていたのもありそのまま食事を続行した。


するとあっという間にサンドイッチは無くなってしまった。


「・・・ってあれ?マスタード入りは?」


「入れ忘れたとかでは?」


「しっかり入れたと思ったんだけどなー

・・・」


「まあいいんじゃないですか?」


「反応見たかったんだけどなー」


結局、マスタードは入ってなかったで結論が出た。


まあ食べたの私なんですけどね(言われる前に食べたから気のせいだと思った)


それから午後も、俺たちは遊び尽くしたが、夕方になると流石に疲れたということで帰ることになった。


「今日は本当にありがとうございました」


車の中で、俺は助手席に座り千咲さんに今一度感謝した。


「こっちも楽しかったよ。2人ともいい子だし・・・あ、君も勿論だけどね」


「なら2人だけでも、また誘ってあげてください。俺はあんまり2人が喜びそうな事思いつかないので」


「ふふっ・・・なんやかんやで2人のこと大切に思ってるんだな」


「凛も環も最近楽しそうだからってだけですから」


「そういうことにしておくよ。それと多分あの2人は君もいないと行きたくないって言うと思うよ」


「さすがにそんなことはないですから」


「最近のラノベ主人公か」

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