アンドロイドは魔法使いと夢を見るか?

作者 神岡鳥乃

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★★★ Excellent!!!

最後まで一気に読んで欲しい作品です。
全体の展開と章間として挟まる閑話の意味も含め、抜群の構成力と怒涛のラストへはお見事としか言いようがないです。

主人公たちだけでなく、その背後にあるものの意味。
話が進むごとにわかる世界観。魔法とは宗教とは人とは何なのか?

異世界のテイストから始まりすらすらと読めつつ、いつの間にかSFの世界に紛れ込んでいて読後には素晴らしい達成感。
SF好きななら是非! そうでない人にも読んで欲しい!

★★★ Excellent!!!

遥か遠い未来、人類は宇宙間戦争を行うまでに科学技術を発展させ、そこではアンドロイドの少女達が無機質な戦いを繰り広げていた。
この冒頭から次に見せられたのは、我々が慣れ親しんだファンタジーの世界。中世時代に近い文明、魔法を使う存在、出現するモンスター、宗教が人々にとって重要な役割を持つ社会。
この世界に現れたアンドロイド「ハル」は、救済師として魔法の力を振るう主人公シアンと出会い、数奇な運命が回り始める。

本作は人に似た姿のロボットと、遥かに文明が劣る世界に暮らす主人公達の微笑ましい交流が魅力……だけではありません!
緻密に練り上げられた世界観や設定がまさに逸脱です。読み進めていく内に徐々に開示されていきますが、単に判明するだけでなく、その裏にあった真実や人々の思惑、過去にも直結していき、興奮を覚えるような展開になって早く続きが読みたい、とどんどんのめり込んでしまいます。
本作はSFに慣れていない読者さんが読まれても十分にわかりやすく、かつ設定の数々は各キャラクター達の心情への影響にも繋がっているので、前知識はなくとも問題ありません。

標題にも書きましたが、主人公シアンに感情移入していく内に読者もまた、どうすればいいんだろう?と彼と同じ立場で悩むことになると思います。自分がそうでした。
果たしてこの結末はどうなるのだろうか?
最後はハラハラして読み進めていました。きっと楽しめること間違いなしです。

またキャラクターも、アンドロイドのハルが徐々に変化していく過程が何とも可愛らしいです。加えてシアンの妹リアンの明るさ、健気さ、いじらしさが堪らんっ。彼女たちには是非とも幸せになってほしい!
ファンタジー+SFの骨太作品ですので、是非とも読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

いやあ、面白かったです。未読の方は読んでください。ぜひ。
他の方々もレビューされてらっしゃる通り、異世界が思いもよらない形で結びつきます。しかも流れるように自然と繋がっていくので、ポン!と手を打ちたくなります。
アニメの『天元突破グレンラガン』や、貴志祐介さんの『新世界より』とかが好きな人なら多分絶対に好きだと思います。

現在、電撃のスタートアップコンテストに参戦中とのことですので、良い結果となるよう陰ながら応援しております。
いや、良い結果になるに違いない。ホント面白いので。

★★★ Excellent!!!

これがなぜ、書籍になっていないのか!

読みやすく感情移入しやすい文章と物語の展開、緻密に練られた設定に無駄のない構成、魅力的かつそれぞれの役割を見事に果たす登場人物の面々。カク御方にもヨム御方にも胸を張っておすすめできる、というか、読まなくては損だとさえ言い張れる、圧倒的な完成度を誇った小説でございます。

とある人物が異世界に到来したところから始まる……と言えば、ありがちな異世界ものを連想致しますが、これはそうした既製のものとはまったく違います。異世界の概念を覆す、怒涛の展開に息つく暇もなく読みふけってしまいました。まさか、《異世界》と《科学》の境界線が、あんなかたちで重なり、融けあっているとは。予想だに致しませんでした。

さあ、皆さまも是非、《世界》が覆る瞬間を体験してください!

読み進めていくうちに謎が解け、やがては驚愕の真実にたどり着くでしょう。なにもかもが逆転してしまった世界で、主人公はどんな結末を選ぶのか。あなたの目で確かめてください。

そうして読み終えた後には、現実に生きる私達にもひとつの問いが残されます。それこそ《現実》と《空想》の境界線が、ほんとうにどこかで重なっているのではないかと疑いたくなるような問い掛けが。

★★★ Excellent!!!

上記の言葉の意味は、最後まで読んでいただければわかっていただけると思います。

現代ではファンタジー小説の一大潮流となっている「異世界モノ」ですが、この作品は「異世界モノ」と「SFモノ」を想わぬ形で融合させた作品です。

遥か遠い未来。戦争用の兵器として改造された家庭用アンドロイド(コンシェロイド)、ハル。彼女は戦闘中、機能停止状態となり、どういうわけか我々がよく知る異世界で再起動を果たすことになるのです。

えぇ、間違いなくよく知る異世界です。そこは中世ヨーロッパ風の文明社会で、モンスターもいて、魔法が使える神官もいます。

ぱっと見、他の「異世界モノ」と違うのは、この世界にやってくるのがスマホを持った高校生などではなく、美少女型のアンドロイドであるぐらいでしょう。それで間違ってはいないのです。

「兵器として戦っていた美少女アンドロイドが、我々のよく知る異世界にやってきた」

たったこれだけの事実が、後になって読者の我々にガツンとショックを与えてくるのです。

異世界という舞台をSF的解釈で描くと、これほど面白くなるものかと、最後まで読み終えたときの満足感は格別でした。

なぜハルは異世界へとやってきたのか? そもそも異世界にはなぜモンスターがいて、人々が魔法を使えるのか?

普通のファンタジーであれば「ファンタジーのお約束だから」で済ませてしまうこれらの要素を、この作品ではちゃんと答えを明示します。科学的に、です。これこそまさに「SF=サイエンス・ファンタジー」!

「異世界モノ」、「SFモノ」、どちらかが好きであればあるほど、この作品の持つ唯一無二の魅力に気が付けるでしょう。

さぁ、美少女アンドロイド、ハルと共に異世界へ! そこできっと、あなたは衝撃の真実を知ることになるでしょう!!

★★★ Excellent!!!

序盤の期待感と、中盤から終盤にかけての盛り上がり、そして読後にただよう清涼感。最初から最後まで文句の付けようのない完成度でした。

キャラクターや描写はいい意味で軽く、コミカルな部分もあり、全体としてとっつきやすい作品に仕上がっています。(個人的には女の子のキャラがお気に入り。リアンとハルがめっちゃカワイイ♡)

なかでも好きなのはやはり、ファンタジーに科学的根拠を持たせ、なおかつ矛盾なく世界を説明して見せた、後半からの怒涛の展開。もう感嘆しかありません。あまりの見事さに興奮さえ覚えたほどです。

とにかく一読をお勧めします。読んで後悔はありません。

★★★ Excellent!!!

この物語は、高度な文明の世界で戦っていたアンドロイドが、平和な異世界へと飛ばされ、そこの人々の優しさに触れながら、少しずつ異世界に順応していくお話――

と、いう、単純な、ものでは、ありません!

この物語はですね、いいですか。世界の真実が語られることにより、平和な世界を信じて疑わなかったニンシュと一緒に、あーなるほどアンドロイドで異世界無双系ね?ってのほほんとしてた読者のこめかみに、強烈な右ストレートをぶち込んでからが本番です。

文章力、表現力はともに高く安定していて、どこに出しても恥ずかしくない出来!

まずはプロローグでびっくりしてください♪

★★ Very Good!!

非常に読み応えのある作品です。世界設定、キャラクター、構成どれを取っても精密に作り込まれていて、プロットだけでノート何冊分あるんだろう?一体何冊の本を参考文献にしたんだろう?と邪推してしまうくらいです。
お話の流れとして、宇宙を浮遊していたアンドロイド『ハル』が牧歌的な国に漂着したところから物語が本格的に進んでいきます。
そこで生活をしているニンシュたちとの交流や、登場人物となる『リヴ』『シアン』『リアン』の人となりの描写がとても丁寧なので、世界の『カラクリ』を知った時のショックが読み手にもダイレクトに伝わってきます。
『人は神の創造物』なんて言葉もありますが、自分たちがリアルに生きている世界が別の何(誰)かに掌握されていると知れば抗いたくもなるでしょう。しかし世界を壊してまで『欲しいもの』を手に入れたとしても、それが壊れちゃ何にもならんというもどかしさ。これはとんでもなく難解な問題提起なんじゃないかと思わずにはいられませんでした。
加工する技術を手にした『ヒト』が行き着く支配欲が浮き彫りになっているようにも思います。神になった気でいる傲慢さと強欲さが見え隠れしていて複雑な気持ちを抱いてしまいました。
ラスト『この世界で生きていく』、ニンシュである主人公たちの出した『答え』は当たり前のありがたさを実感致しました。どんな世界であっても命があり、リアルが存在している証明なのではと思います。

Good!

SF、異世界、ファンタジー、魔法、ロボット(アンドロイド)――。
どれか一つでも気になる単語があったら読んでほしい。
きっとあなたの心を弾ませてくれるはず。

冗談を言って笑ったり誰かに恋心を抱いたり平和な日常を過ごしているニンシュ。そんな彼らがアンドロイドと出会い、世界の真実を知り、何を考えどう動くのか――。
世界観や設定、構成や演出など細部に至るまで見事に作り込まれた物語。また、シリアス展開の物語ながらコミカルな人物描写のおかげでキャラクター達は親しみやすい。

★★★ Excellent!!!

HJ文庫最終選考作品とのことで読んでみれば高い文章力で頭を殴られるような作品でした。文章に演出がよく込められており、頭の中で激しい戦闘シーンが走っていきます。プロローグが勝負だとよくわかっている作者だからこそ、ここで引き込ませようとする技量と熱意。そして作品への愛が伝わってくる素晴らしい作品だと思います。良い文章には音楽が聞こえるものだと言いますが、この作品はまさにそれでした。また、ハルの行動はロボット系列でのお約束の『人間らしくない機械にしかできない不器用さ』を感じさせ、彼女の行動パターンにプロローグながらに「こいつはすげえぞ」と思わせてくれます。プロローグでのシーンの切り方もよかった。短編映像作品等で用いられるロボットが最終的に壊れるシーン。あれに近い衝撃と味わい深さを感じさせてくれました。全て読むのが楽しみと言える作品です。