何かあったら嫌でしょ?
結局逃げられなかった俺は、学校近くの喫茶店に相馬さんともう
――もうご存知だと思うけど、俺は女の子から話しかけられて「嫌」という単語が使えるほどコミュ力は高くない。まぁ例外的に言えるやつがいなくもないけど…。
「ゴメンね、藤堂クン。もしかして急ぎの用とかあったりした?」
この相馬さんは前回の事で少し話せるようになった、今通う高校での唯一といっていいほどの女子だ。見かけたら気軽に声かけてくれるし、変な感じの眼で俺を見てくることもない。その辺りは凄く感謝してるんだけど。
「ああ。いや、だいっ丈夫だよ。うん」
少し慌てて噛んでしまった。
――何しろ向かい側に見たく無い
でも……何だろうか、この
そんな感覚を覚えながらも相馬の話に耳を傾けることにした。
「まずは紹介するね。
「初めまして日暮です」
ペコっと頭を下げてきたと同時に、隣にいたその
初めて見る光景にギョッとする。
「あれ? なに? どうしたの?」
キョトンとした顔でこちらを見つめる相馬。
これは彼女には視えてないんだから仕方ないんだけど。だけど、ここは言っておいた方が良いのかもしれない。今回の[話]もたぶん
「あの、相馬さん今日の相談ってソッチ絡みだよね」
「そうだよ。どうしてわかったの?」
それ以外にこうしてお茶しながらお話なんてしたことないでしょ。なんてことは言えない。
「えと、大変失礼だとは思うんだけど…、その、日暮さんの後ろに女の
「やはりそうですか……」
意外というか、やけに落ち着いた感じで日暮さんは運ばれてきた飲み物をクチもとへと運んでいた。
「やっぱりって、心当たりがあるんですか?」
――このセリフ。
――俺は言った瞬間に――やっちまったと—―心の中で舌打ちした。
「やっぱり藤堂クンなら気になると思ってたんだよぉ。良かったぁ声かけて。私じゃどうしようもないもん」
そう言いうと満足そうにマグカップに手を伸ばす相馬。
完全にはめられた感がするけど、このままにしておくってのも気が引ける。
この性格を何とかしたいとは思うけど、目の前の困りごとは小さい時からほっとけないんだよなぁ。
――はぁ~。
深いため息が自然と出てしまう。
「わかったよ話は聞くけど、日暮さん俺には払ったりするような力はありませんよ」
「ええ。それは夢乃ちゃんから聞いています。 それに……今私の後ろに
「と、いうと?」
自分から
「ええ、私は今の学校におじさんの家から通っています。実家は隣の県の〇〇市にあるんですけど、そこで夏に開かれるお祭りがありまして、そのお祭りに代々携わってきているんです」
――あれ? 〇〇市っていったら俺達が夏に行く場所の隣じゃないか。
「そのお祭りは竜神様を
「へぇ~。じゃぁ日暮さんとか数人で鎮めるの?」
「はい。その日は三人の巫女と三人の守り人が踊りながら鎮めることになってるんです」
俺は一度カップの中のコーヒーをすする。
それを見て日暮も唇を潤した。
「そこまでの話を聞く限り、特別何か起きそうにはないんだけど」
下を向いた日暮さんの肩に女性の
「前回のこのお祭りで死者が出てしまったんです。その年以降のお祭りでは失敗が続いているのです」
「で、その話と俺とどう関係するのかな?」
「お願いです。藤堂クン。原因が何か突き止められませんか? たぶん前の亡くなった方々も関係してると思うんです」
「そのお祭りっていつなの?」
「「夏休みが始まって最初の土曜と日曜日なの」」
相馬と日暮二人の声がそろった。
「あれ? 相馬さんがどうして知ってるの?」
「だって私も行くんだもん。綾乃のウチにお泊りに」
――何か俺の頭にピーンと来た。
「あ、まさかそのために調査?」
「そう!! せっかく楽しみに行くのに嫌でしょ? 何かあったら」
—―俺の頭の中はいろいろ考えてぐちゃぐちゃになりそうだ……
ポケットからケータイを取り出してタップする。
「あ、もしもし伊織? すまないけど全員集合かけといて。うん。場所は任せるよ」
良きアドバイスを聞く為メンバーを招集した。
※作者の後書きみたいな落書き※
この物語はフィクションです。
登場人物・登場団体等は架空の人物であり、架空の存在です。
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