母さん
『怖くないの? 幽霊な私が……』
「怖いのは怖いですよ。俺だって慣れてるわけじゃありませんから」
太田の方を見ながらきっぱりと言い放つ。
『じゃぁどうして?』
「こうして話してるあなたはもう人じゃないですか。俺は今、太田美憂さんと話してるんですよ」
隣にいた伊織もゆっくりとうなずくのが見えた。
――大野クンはなぜかキラキラした眼で俺を見てるけど。ちょっと危険を感じる視線だなぁ……
彼女はうつむきながら涙を流し始めた。
『ありがとう……うん。もうここに私はいらないかな。でも長い時間ここにいたからどうしたらいいか分からないのよね』
「じゃぁ私の出番ですネ!!」
ばば~ん!!
想像上の効果音付きで、伊織が腰に手を当てながら前に出てきた。
「い、伊織?」
「お
そういうと腕を広げて、何やらブツブツと口元で言っているようだ。
「お願いします!!」
伊織が気合を込めた言葉を発する。
その言葉と同時位に、からだに心地いい柔らかい感触が込み上げてくるのを感じた。
今までも伊織と一緒の時などに感じたことのある、いつもの感じのあれだ。
ふと
『任せて。この方は私が向こうへお連れします』
太田の隣にもう一人、幽霊の女性が立っていた。
その女性が俺に微笑みかけてくる。
自然と俺の顔に涙が線を描いていた。
――まさか……
「かあ……さ……ん……?」
俺は無意識に右腕を伸ばしていた。その
※作者の後書きみたいな落書き※
この物語はフィクションです。
登場人物・登場団体等は架空の人物であり、架空の存在です。
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