R2.9.27『あ、安部礼司』の感想

創業65年の喫茶さぼうるの前で72時間の定点観測をしはじめるヒタチノナツト。いきなりドキュメント72時間にかぶせてきた。

ヒタチノナツトはここで聞きたいことがあった。


――「普通」って何ですか?


にしてれば、と小さいからころよく言われてきたナツトは、周りを気にしてなるべく目立たないように生きてきた。しかし最近会社で、個性を出せ、と言われて分からなくなった。ってなんだ?


皆と同じ、ということ・・・? かなあ?


ちなみに「しちめんどうくさい」の「しち」は、すこぶる・はなはだの接頭語であり「七」という意味ではない。広島県のブチ、福岡のバリみたいなものだろうか。


⇒東京弁なのか。はじめてしった。



ヒタチノナツトが給湯室を横切ると、アンジュっちが「萩の月」をコッソリ食べようとしているのを目ざとく見つける。

その流れでヒタチノナツトは、アンジュっちに友達の話をしはじめる。毎朝おなじ電車に乗る男性がおり、その人が気になっている。その男性が電車内で「青野くんに触りたいから死にたい」という漫画を読んでおり、友達もそれが好きだという。

それをキッカケに話しかけることをしてもよいのか、という質問。軽い奴だな~、とかキモ、とか思われないだろうかと心配していた。


アンジュっちは、隣でおなじ漫画を読めば、とアドバイス。しかしナツトは、意識しているみたいと思われないかな、と考える。しかしアンジュっちは「意識してないの?」と逆質問。


人を好きになる、っていうのは元々、心がじゃないことだから、じゃなくていいんじゃないの? と答えた。



ユウちゃんは、ランと一緒に買い物に行った際、多摩川沿いを後ろ向きで歩き始めた。普通じゃないことをいきなりしだしたので不安になったユウちゃん。


⇒子供のころってたまにするよね。で、やってた本人はケロっと忘れてる。


不安になるユウちゃんに、安部礼司は、たとえランがこれから一生後ろ向きに歩いても、ランが後ろ向きで歩くことを守る、という。


それを聞いて泣き出すユウちゃん。ちゃんと自分の不安に寄り添ってくれたことが嬉しい。


この世の中なんでもありだと思えてきた。だからせめて、親の自分たちが味方じゃないと、


⇒安部礼司はあっさりと正解を出すよなあ。家の外すべてが敵で危険だとしても、家の中・家族だけは味方で安全圏じゃないとね。ただあんまり度が過ぎると共依存的になるのが怖いけどね。



マリアアンジュと大場部長の大人電話相談室。

アンジュっちは部長さんに尋ねる。「個性ってなんですか」。部長さんはこう答える。個性とはくっつき虫だ、と。

くっつき虫=学術名・オナモミ。

この実の中には、長い種子と短い種子が入っている。これが地面に落ちると、長い種子はなかなか発芽しないが、短い種子はすぐに発芽する。なぜこのような構造なのかと言うと、落下した地面がどのようなものか分からないから。

台風で芽がふきとんでしまっても、長い種子がそのあと芽を出す、というリスクマネジメントをおこなっている。


そして人間も同じ。すぐに開く個性となかなか開かない個性があらかじめ内包している。個性はそのときに開く。焦ってはいけない。


そこに電話相談。後輩キャラの「人間は真正面の音よりも実は斜め後ろの音に敏感。それはきっと真正面は視覚が助けてくれるけど、斜め後ろは耳だけで判断するからだ」さんからの質問。


後輩キャラってなんなんすか?

そんな悩める「人間は斜め後ろは耳だけで判断するからだ」さんに部長さんが回答。


世の中に普通なんてのはない。みんな個性的なんだ。

それを聞いた「人間は耳だけ」さん。しかしピンときていないようなので、アンジュっちが「人間」さんにこう伝える。


あるがまま。



その後、隣でおなじ漫画読む作戦をしたナツトの友人だったが、気持ち悪がられてしまった。結果、立てこもりをしてしまうヒタチノナツトだったが、安部礼司の説得で無事出てきた。


⇒たまーにやってくる「普通」をテーマにした回でした。今年は去年までのじゃないからこそ、の重みが感じられた。

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