R1.10.13『あ、安部礼司』の感想

台風一九号で玉川氾濫したけど、家は大丈夫か安部クン?


【A面】

 飯野っス君が若い奴らと一緒に会社で暴れていた。すっかりお手上げな状況に、京都からタキザワダケンジロウ――人呼んで、泣き虫部長がやってきた。

 泣き虫部長は涙を流しながら、飯野っす君に寄り添う、というスクールウォーズ的展開で、今夜のラグビーワールドカップ・日本VSスコットランドを盛り上げていこうとしていた。


 ◇


 反社グループのパーティに闇営業して謹慎となったお笑いコンビ・ザブングルのギャグ「悔しいです!」はスクールウォーズが元ネタ、という小ネタを入れる。


 ◇


 泣き虫部長がやってきた大日本ゼネラルはやたらとみんな泣いていた。

 なおラグビーでは、試合前の国歌斉唱でも選手は泣いている。なぜかと思う安部礼司に、元ラグビー部の出向王子は断言する。試合前に泣くスポーツはラグビーだけ。今までのきつい練習を思い出したり、試合にでられない選手のことを思ったりいろいろだが、これも立派な儀式。泣くことでアドレナリンを出していた。


 なおラグビー(部)の謎なあるある(出向王子・選)

・練習のとき「帰れ!」と言われても本当に帰ってはダメ。

 →そりゃそうだろ。

・とにかく怪我の自慢をしがち。

・ラグビーのルールを知らない母親の応援が漠然としがち。


 どんだけ~。


 ◇


 泣き虫部長がやってきてから、ひたすら仕事にうちこむ飯野っす君や阿部礼司や部長さんたち。

 一生懸命、仕事してます感を演出するため自分のスーツに泥を着けたりと訳の分からないことをしていた。実はこれもラグビー部あるあるで、ハーフタイムでユニフォームを汚したりしている連中はちょくちょくいるという。練習がハードすぎて自分がなにをやっているのか分からなくなるらしい。これはもう『練習のために練習をしている』状態だった。


 しかし社内のコンプライアンスから注意され、試合(プレゼンコンペ)の直前で泣き虫部長ははずされてしまう。昭和ではまかり通った愛のムチも、令和ではコンプラ違反となってしまった。


 泣き虫部長がいないプレゼンだったが、なんとか競合に勝利した阿部礼司たち。

 勝利の余韻にひたるのもそこそこに飲み会に向かう。それは競合相手との飲み会。ラグビーは紳士のスポーツだから、昨日までの敵も今日の友。ノーサイド。


 ラグビー界の飲み会では、ビールは左手で持つ、というルールがあるらしい。右手は握手する手だから。

 うっかり右手で持つと「バッファロー」(グラスを持った冷えた右手は牛の蹄のように冷たいため)とヤジをとばされたのだった。


→ラグビーネタ多めで、にわかには面白い話でした。ラグビー見てて楽しいね。ルールが分かれば面白いね。


【B面】

 

 オモヤマツラミとミズクラ”魔性”サラが試合で負けてしまう、というオモヤマちゃんの夢。


 ◇

 

 天然小悪魔・天然ひとたらしのサラちゃん。飯野っす君が気軽にサラちゃんの好きな人を訪ねると、蠱惑的笑みを浮かべながら「い~~ません」と告げる。

 それを飯野っす君は「い(いいの)」と勘違いするし、阿部礼司は「(あべれいじいい)い」と苦しいことを言い出す。

 それをユウちゃんにちくるオモヤマちゃん。

 珍しくヤキモチを焼くユウちゃん。その正体を暴こうとするが、タイミング良く劇団青年座の五十嵐明(実名)さんが来訪してきてウヤムヤになって終わり。


 ラグビーは人生そのもの。最後までボールに食らいつくように、人生も夢に向かって執着すること。


 ◇


【神保町やらねば娘Vol1】

姫川皐月、鞠谷アンジュ、重山つらみの三人娘が商品企画を考える話。なにやらこの商品企画に開発本部の存亡がかかっているとかいないとかしながら、おしゃべりしながら話が進む。三人娘のからみは本編でなかなかないため心地よいです。


余談ですが、10月7日にイラストレーターの和田誠氏が逝去されました。いちファンとして、ご冥福をお祈りします。

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