支えてくれてありがとう(肩こりと腰痛のお話)
明けましておめでとうございます。遅ればせながら新年のご挨拶をさせていただきました。2019年も当エッセイをどうぞよろしくお願い致します。
お正月のおかげで私は肩と腰を療養することができました。でも一週間と経たず元に戻りました……ああ……あああ……また体の痛みと戦う一年が始まる……。
「あたいにはそんな歳に見えねぇけどな。老け込み過ぎじゃねぇか?」
あのですね、肩こりや腰痛に年齢は関係ないんですよ。若くても悩んでいる方はいらっしゃいます。痛めると日常生活や執筆にも大きな支障が出るので、ぜひ大切にしてください。
というわけで、今回は肩こりと腰痛のお話を致します。
まずは日常的に肩や腰が
成人で約4~5kgあるという頭部。それを支えている肩には、常に負担がかかっています。なのに過度な運動や無理な姿勢を続けると、筋肉はより緊張し、硬くなってしまうのです。これが肩こりです。
そして腰。上半身を支える背骨はゆるいS字状に曲がっています。そのため、重さはカーブしている部分に集中します。普段は一緒に支えている腰回りの筋肉が衰えたり、柔軟に働かなくなるとさらに負担が増し、痛みに発展するのです。ひぇ……。
「そんでいつもトントン肩や腰を叩いてるってわけか、竹鋸じーさんは」
若い子から見れば私も年寄りですよね……しくしく。
常に痛みがある理由は、悪循環に陥っているためと考えられます。
筋肉が硬くなると、血管が圧迫されて流れが悪くなります。血がスムーズに流れないと筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなり、悪い物質も流れていきません。すると筋肉はますます硬くなり、血行不良になる……と、
筋肉の圧迫が神経を傷つけると、痛みやしびれが発生します。これもまた筋肉を硬くする原因となるので、ますます悪循環から抜け出せなくなるのです。
「大変だな。ま、あたいはピッチピチの女子高生だから? 分っかんねーけど!」
今どきの若い子はピッチピチとか使わないんじゃ……ともかく、凝りの仕組みが分かったところで、お薬の売り場に移動しましょう。
コーナーに並んでいるのは塗ったり貼ったりする外用薬と、飲み薬です。種類が多いので、ご案内の機会も多いですね。
「結局どれでも使っときゃ治るんだろ? 一番効く奴だけ並べりゃいーじゃん」
ちゃんとそれぞれに違いがあるんですよ。順番に説明しますね。
まずは貼り薬から。白くて貼りつける面がジェル状のぷにぷにした『パップ剤』と、肌色で伸び縮みしやすい『テープ剤』が主流でしょうか。
パップ剤のぷにぷには水分が含まれています。蒸発するときに患部を冷やす作用が期待できるため、患部が熱を持っている場合に効果的です。
テープ剤は薄くて軽いので、動かすことが多い場所にもぴったりフィット。肌色なので目立ちにくいのも好まれる理由でしょうね。普段使いに適しています。
塗り薬は種類が多いですよ。刺激が少ない『軟膏剤』、伸びが良く浸透しやすい『クリーム剤』、持続性の高い『ゲル剤』、均一に塗りやすい『ローション剤』。
冷却効果で筋肉疲労におすすめのスプレータイプ『エアゾール剤』もありますね。
「選ぶのめんどくせーな……こんなのいちいち説明してるのかよ」
ご要望がない限りはお話をうかがった上で、形状別におすすめしています。
痛みの範囲が狭い、あまり動かさない場所であれば貼り薬。
痛みの範囲が広い、良く動かす場所なら塗り薬が使いやすいかと。
どちらも同じ製品の形状違いであれば、基本的に主成分は変わりません。なので、使い勝手の良い方でお選びいただければと思います。
……どうしました? 貼り薬を見比べて。
「これ。『冷感』と『温感』ってなんかちげーのか? 成分はほとんど一緒だぞ」
それもよくいただくご質問ですね。文字通り貼った部分に冷たい、もしくは暖かい刺激を与えてくれます。腫れや痛みを鎮める成分は同じ製品であれば変わりません。
使い分けとして、打撲やねんざなど腫れて熱を持っている患部には冷感が適しています。温感は温めて血の流れを良くしてくれるので、痛みのある肩こりや腰痛に効果的ですね。決まり事でもないので、使って気持ちの良い方をお選びください。
では飲み薬に行きましょうか。
市販品の多くはビタミンBやEを中心に配合されています。外用薬のように痛みに直接効くというよりは、筋肉や神経の機能を回復させて痛みを和らげることを目的としています。
他にも関節の結合組織に効果のある成分や、漢方薬などがございます。
痛みを直接抑えてくれる飲み薬なら、一般的には頭痛薬と呼ばれている鎮痛剤が効果的です。効能・効果にも「肩こり痛」「腰痛」の記述があるかと思います。
「飲み薬はいまいちピンとこねーな。あたいはバシッと貼る方が性に合ってるぜ」
慢性的な肩こりや腰痛なら、飲み薬は有効な手段なんですよ。それにビタミン主薬製剤は目の疲れからくる肩こりに効果的です。
眼精疲労は自律神経のバランスを崩し、肩を含む全身に悪影響を与えます。もしも目に疲れが溜まっているようなら、飲み薬もお試しください。
「あたいは頭ワリーからさ、どれがいいのかだけ教えてくれよ」
慢性的な肩こりや腰痛には外用薬の他に、ビタミン主薬製剤で筋肉や神経を回復させてあげると改善に繋がるでしょう。激しい運動後やぶつけたり捻ったりした急性の場合は、冷却で腫れを鎮めると症状が和らぐかと思います。
激しい痛みや長引く痛みには専門機関の受診を強くお勧め致します。市販の薬が効果的なのは症状が軽い場合。重度の症状ならば専門機関での早期治療が最良です。
また、市販薬は手軽に使える一方で使用上の注意もあります。用法・用量を理解したうえでご利用くださいませ。お声をいただければご案内させていただきますね。
「竹鋸じーさんの話でよく分かった。歳は取りたくねーな」
すべての生命が痛感する真理ですね。だけど拒否しても重なるんですよ年齢は。
肩も腰も、快適な日常生活やカクヨムライフを支える大切な部位です。無理をさせず、労わってあげてくださいね。
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