ぐるぐる異世界旅行記
カクヨムの異常(或いは異世界への転生)
異常、異質、異様、異世界。
異で始まる言葉を、小説を書く人間は愛しすぎていると思う。
「……本当に?」
「本当ですよネコ。オマエは死んだら死にます」
ついつい、現場に関係ないことを考えてしまうのは、私の脳が今の自分の身に起きていることを受け入れられていないからだろう。
よし、整理しよう。
カクヨムは今まで私を何度も小説の世界に送ってきた。そしてその小説の世界から抜け出す手段は登場人物に殺されること。
でも――――今回はそうじゃないらしい。
「オマエが望んだことです。ネコ」
「た……確かにそうだけど!」
白い空間に浮かぶ、喋るカクヨムロゴ。確かに彼は私の望みを叶えようとしている。
異世界転生を体験できれば、何故それが流行したかを知れるだろうと、軽く望んだことを。
「どこに転生したいですか? カクヨム公式で二次創作ができる――」
「やめて! それはやめて! あんな世界に行ったら私すぐ死ぬよ! あんなキャラクターとやり合いたくない!」
カクヨムがどの作品を言うつもりだったかはわからない。でもカクヨムで二次創作が許可されている作品はごくわずか。私はすべてを知っているわけではないけれど、一つだけ異世界転生ものだとはっきり認識している作品がある。
アニメ化もしたその作品の主人公ともし敵対することになったら――――私は多分、死ぬ。
「じゃあどこがいいですか?」
「えっと……」
「オマエはっきりしないので、適当に決めますね」
「ちょっと!」
こうして私は唐突に、異世界への転生を体験することとなった。(死んだわけではないから正確には転生ではないのだけれど。)
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