2月3日 豆まき

 福は内、鬼も内。

 雪車町地蔵だ。


 豆まきとはどういう行事かということを、少し思い出していこうと思う。

 豆、特に煎り大豆が用いられるが、昨今では拾ってそのまま食べられるということで殻付きピーナッツを使う地域も多い。


 豆を使って邪気、或いは鬼を追い払う儀式。

 それが豆まきだ。

 しかし、なぜ豆なのだろうか?

 それも、もはや芽が出ないようにした煎り大豆。


 マメに魔を滅するの字を当てて魔滅なのは、当時一流の遊び心だろう。

 たまたま豆は収量が多かったので、安定的に使えるから大豆を選んだというのは納得できる。

 ぶつかったとき、じゃらじゃら音がなって景気がいいので使ったという節もあるだろう。音もまた邪気を払うからだ。

 煎ったのは、拾って食べれるようにするためだろう。

 さて、ここまでどうして豆なのかということを紐解いてきたわけだが……


 ところがどっこい、一番最初は、べつに大豆をまいていたわけではなかったのである。


 桃。

 桃だ。

 もとは桃を投げて邪気を払っていたのだ。

 もう少し正確にいうと、桃の枝でぺしぺし叩いていた。

 中国では桃には邪悪を払う力があるとされていた。仙人たちが作った桃を食べると、寿命が1000年伸びるともされていた。

 モモは神聖なものだったのだ。

 そんな桃だから効果があった邪気払い──つまりは追儺と呼ばれる儀式だが、日本に入ってきてしばらくたったころ、上のような理由で豆に変わった。

 それこそが、現代で言うところの節分、豆まきなのである。


 大豆とは、ジェネリック桃だったのだ。


 という、明日使えない無駄知識を身に着けたところで、今日はお開き。

 読者諸氏も、恵方巻とか楽しんでほしい。

 以上!



(マジで明日使えねーじゃねーか!)

(次は、来年ですねー。それでは、アデュー!)

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