6月2日 梅仕事の季節

 スパーキング!

 雪車町地蔵だ。

 簡単に言えば、今日は梅の話だ。


 読者諸氏は、梅干を買うタイプだろうか。

 梅酒を買うタイプだろうか。

 梅シロップを買うタイプだろうか。


 我が家は毎年、これらを作っている。

 庭に梅の古木が根を張っており、この季節になると薄く色づいた大ぶりの果実を実らせるからだ。


 まだ冬のころ、可憐に咲いた梅の花は、しっかりと結実し、もういくつかは地に落ち始めた。

 拾い集め、枝についているものをもぎ、丁寧に洗って、水気を拭きとる。

 表面にはびっしりと産毛が生えているから、水につけるとあぶくをまとい、非常にきれいだったりする。


 竹串でヘタを取り、アルコール消毒した容器に梅と氷砂糖を交互に詰めて。

 用途に合わせてホワイトリッカーを入れたり入れなかったり。

 あとは冷暗所に保存して、梅酒とシロップはOK。


 ちょっとくせ者のなのが、梅干だ。

 名前のとおり、梅は干すのだが、正確にいうと我が家で作っているのは梅干し漬けだ。高級品の純粋な〝梅干〟とは違う。

 とりあえず塩漬けにして、シソの葉が出回るまでは監視。

 出まわったら色を付けて、やっぱり監視。

 そして、ようやく夏の日差しが強くなった丑の日のころ、天日干しを始めるのだ。

 3日ほど、裏返したりしながら干して、もう一度漬ける工程に。

 あとは熟成させて、翌年ぐらいに食べごろに……というわけである。


 どれもお手軽とはいかないが、旬のものを旬の時期に捌くのは非常に風流である。

  真似をしろなんて、あの大変な仕事思えばいえないが、読者諸氏も、一度挑戦してみてはどうだろう。

 あなただけの梅仕事が、きっと待っている。



(梅シロップてなに?)

(簡単に言うと、水や炭酸で割るとジュースになる魔法の液体です)

(うまいの?)

(アルコール味の無い梅酒)

(そりゃあうめぇや……)

(でしょう? それでは アデュー!)


 

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