第20回夏本番の天使の微笑み

まったく天使のような微笑みだ。


「あのさ、岸森?」


「なに?」


「お前自分の身の危険とか考えたことある?」


「身の危険?どういう状況?財布無くしたりとか?」


「今だ!今」


「今?何のことやら……」


「一応ね俺も先生やってる男なわけ、わかる?」


岸森は真面目な顔して頷いてる。


「君みたいな、いわゆる若くて魅力的な女の子を前にして理性が働かない場合あるでしょ」


岸森は顔を傾ける。


「それって、先生がオオカミさんになるってこと?」


「そういうことだ」


岸森は突然極的に笑い始めた。


相当腹を抑えてる、そんなにおかしなこと言ったかね?


「だってさ、はははは、センセがさ、クククク、もう苦しい」


勝手に笑っていやがれ、こっちの気も知らんと。


「ふー、じゃあ私退散します、赤ずきんちゃんだもんな」


「その方がいいと思う、お互いにとって」


岸森はまた天使のような笑顔で手を振りつつ帰っていった。


さて夏休みだってのにこの後悪夢のような疲れる日々が待ってる事を今の俺には知る由もない。


岸森相変わらず可愛かったなー、今度携帯の待ち受け画面にしたいから撮らせてもらおうっと。


第2部 完


2013(H25)9/10(火)・2018(H30)5/3(木)

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