　言い分も最もだ。

　ドミニクも言った通り、王国があの幼馴染みを探す理由が分からない。反逆者の一族と言っていたが、その事件は彼女となにか関係があるのだろうか？

　あるいは捕まえて抹殺することでなにか意味があるのか？　もしも利益があるとしてそれは一体なんなのか―――解読するための材料、あるいは立証するための情報が足りない。わからないことが多すぎる。

　数日前に出てきた問いに、ぐっと眉を寄せてディックは考え込んだ。

　だがそれは思わぬ事態により霧散することになる。

　部屋の外でバタバタと音がした。

　それはどんどんとこちらに近付き、しまいには―――バァン！　と客室の扉が音をたてて、乱暴に開かれた。

　なんだ？　とディックはそちらに目を向ける。疑問は浮かんだが―――次の瞬間、それは解消された。

　その男性は言った。

「貴方と一緒にこちらにいらした女性がグレイさんに運ばれて戻られました！　私とともに急ぎ玄関まで来ていただきたい!!」

と。

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