23話
掃除開始から、はやくも約二時間くらい経った頃。ようやく父親の部屋の掃除がすべて終わった。
一応たまに片付けはしていたが、埃っぽかった部屋はいくつかの家具を残してほぼ新品に近いものとなった。中身もすでに全部外に出しており、その行き先もすでに決まっている。いらなくなった父親の服は村のなかの質屋に全て売却するし、部屋にあった本も村の貸本屋へ全て寄付する予定だ。
ずっと掃除し続けてへとへとになったレイラはリビングに行くとすぐ横に寝転んだ。その隣に今まで庭にいたスカイが、側へとやってくる。甘えてくるスカイに横向きになると、ゆっくりと喉元を撫でる。そうすれば気持ちよさそうに
ポカポカと太陽が窓を通ってリビングを照らす。明るい日差しが床に当たって、じんわりとぬくもりのように暖かい。それがとても気持ちよくて、たまらずレイラは目を閉じる。そうすれば幾分かしないうちに、すぐに夢の中へと旅立っていった。
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―――意志を持った炎が次々と現れた歪なモノに襲いかかる。まとわりつかれて一緒に燃え上ったそれは振り払うこともできず、すぐに灰となって消えていった。
怯んだところに突如として土煙が巻き上がり、穴が獣のように大きく口を開けた。かと思うとその場所にいたそれを炎と一緒に地中へと飲み込んでもとに戻っていく。
その光景を見ていたそれは少し躊躇した後、近くにまだ残っていた炎へ襲いかかろうと雲のように沸き上がりかける。しかし荒野を吹き抜けた風に一瞬で細切れにされた後、さらに灰となって消えていった。
地中から染みだした意志を持つ水はそれらを一瞬のうちに囲んだ。円上に囲い終わると一斉に上へと昇っていき、半円のドームの形となってそれらを他の場所から隔離。そのドームの中で、水は幾千もの矢のようにそれらに襲いかかった。
そんな戦いの様子を雲の上から窺う者がいた。
照りつける太陽に映える炎より赤く美しい翼を大きく広げ、その深海にも似た深い青色の瞳は下の戦場をまっすぐに射抜いている。
その者は突然翼を広げると、大きく鳴き声を上げた。鳥のように軽やかで、竜のように響くような重い、そんな不思議な鳴き声を。
そして見ていた
真っ直ぐに急降下した。
まごうことなく、火炎を纏った一本の大きな矢のように。
けれどもその
次の瞬間、大きな爆発がその場所を瞬時に埋め尽くした。
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