鍛冶

アインが残り一人を確認してみると、どうやったのかはわからないが、結構帝都から離れた場所にいた。


(いったいどうやって帝都から抜け出したんだ…)


アインは自分の国の警備システムが大丈夫か気になりながらも、その者を追っていった。


そして、彼は1つの場所で止まった。


(これは…国境か…)


国境まで行くのには早すぎると思うかもしれないが、帝都から出ている交通手段の中には、空を飛べるものがある。


それは結構な金がかかるが、日本から持ってきたものを売ってしまえば、一回分くらいの金はすぐに手に入るだろう。


何しろ、いくらこの国でも完成しているとはいえ、銃というのは貴重である。


そもそも完成はしているが、持っているのは軍部の人間だけなので、その貴重性というのは、まだまだ市民の間ではある。


そして、明らかにこの国で作られている拳銃とは違った形。


そのような点から、彼らが持ってきた銃というのは、この国では高額で取引されるのだ。


(それにしても、軍で配布される銃を簡単に捨てるとは…

彼はもう戦闘は行うつもりはないのか?)


それでも、この世界で使える剣は買っているため、とりあえず戦える状態にはなっている。


(しかし、いきなり隣国行きを買うとは…

一体何がしたいんだ?)


その男はそのまま隣国に入っていった。


この隣国というのは、陸でつながっている国ではなくて、海越しの隣の国である。


基本的にすべての国との関係を持っているアインは、その国とも関係はあったが、そこまで本気で交易はしていない。


しいて言えば、互いの国で条件なしで旅行ができるようにしているだけだ。


それだけでもすごいのだが、それでもお互いの国家に影響を与えるほどではなかった。


「この国に…最高の場所が…」


彼がそういったのが聞こえたので、しばらくは放置して、アインは監視を続けることにした。





「この国に…最高の場所が…」


彼がこの国に来たのは、たった一つの目的だった。


「まさか、趣味でやっていたことが本業にできるとは…」


この国はとあることで有名なのだが、それを町の人への聞き込みによって調査をしていたのだ。


「さて、さっそくどこか探そうか。」


そして、街の案内を見ながら、進んでいるとさっそく目的の場所にたどり着いた。


「お、おお。さすがは中世の時代。

現代に比べてここも本格的だな…」


彼が行ったのは鍛冶場だった。


(さすがに、日本刀ではないが、それでもせいようのふうのけんもつくってみたいとおもっていたんだよな…

ここで練習を積んで、いつか冒険者に使ってもらえるような剣を作ろう!)


そう、彼は鍛冶を趣味としていたのだった。

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