島開発

次の日から、さっそく、島の開発が始まった。


「そっち大丈夫か?」


「大丈夫です!」


「慎重にやれよー。」


そんな声も聞こえてきて、だんだんと、島は開発されてきている。


そして、島は結構大きいが、演習に使う場所が多いので、そこまでの建築は必要ではない。


そのおかげで、島の半分くらいを開発すればいいので、そこまでの時間はかからない。


しかし、それでも結構大きおいので、時間はかかってしまう。


(さて、ここから彼らは何を作るのか…)


とりあえず、島の半分を開発しなくてもいいといっても、軍事演習にも必要なものはある。


それは、戦車などを入れておく倉庫や、兵士たちが食事をとる場所、そして、ここは将来的には軍事基地にするつもりなので、兵舎なんかも必要だ。


「よし、そろそろ街の方の建設にも入るか。」


現場で指揮をしていた者は、労働者に対して、次の段階に入ることを伝えた。


「次は何をすればいいのでしょうか。」


「少し待っていろ~。」


そして、指揮官の言う通り、少し待っていると、空を飛んできた魔法士部隊がやってきた。


「よし、それでは魔法士部隊作業に入れ。」


この魔法士部隊に関しては、この会社が自分たちで雇った者たちで、別に国のほうから魔法士を出しているわけではない。


それに、今回ここに来た魔法士に関しては、普通に、この建設の会社に勤めている者たちも多い。


そんな彼らの作業はもちろん…


「レンガ作れているか?」


「はい。」


「よし、それでは、組み立てのほうに取り掛かってくれ。」


そして、バルバロット帝国が誇る、魔法士超高速建築法により、レンガ造りの家や店がどんどん作られていった。


「よし、それでじゃあ、道路の方の舗装に入るぞ。」


道路に関しても、この場所に関しては、車を使う予定はないので、石で作ることになっている。


つまり、ブロック型の意思を並べるということで、魔法士がいれば、高速化ができる作業だった。


「よし、良い感じだ。これなら、大まかなつくりは今日中にできそうだな。」


責任者は、今日のうちに街を大体作り上げてしまって、数日かけて、内装のほうにこだわっていくつもりらしい。


まぁ、今回に関しては、商会の方からある程度の指令が来ているので、責任者が単独で作れることはないのだが、それでも商会側も現場の者に任せていい場所に関しては、任せているので、この責任者に関しては、この企画が成功するかしないかの命運を持っていることになっている。


しかし、今回の件でもしも失敗してしまったとしても、アインは攻める気はない。


もしも、本当に失敗するのが怖いのなら、あらかじめ国側のほうから何もかも指令を出しておけばいい。


しかし、それをしなかったということは、自分たちが現場の者に責任を任せたことになったので、これで失敗してしまえば、国側の見る目がなかったということになるだけだ。


(まぁ、この分では成功しそうだな。)


そう思いながら、その後もアインは作業を見続けるのだった。

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