第450話最後のあがき
この技の効果は簡単。
極限までの身体強化だった。
なぜ、技の中に暴走という文字が入るのかというと…
(この技は、自身の体を強化してくれるところまではいいんだが、自身の体の限界以上に強化されてしまうから、終わった後にまったく動けなくなってしまうというデメリットもある。)
そう、これは自身が普段セーブしている力を開放する技なので、終わった後には反動で動けなくなったり、強烈な筋肉痛に襲われるのだ。
しかも、この状態をずっと続けることもできるのだが、そうなると、いつか体が壊れてしまって、死んでしまうのだ。
(しかし、確かに仲間が近づいてきている気配もある。)
実際、急ぎでここに向かっている兵の気配はある。
しかし、この戦いは早期決着を余儀なくされる。
この技は持久力がないので、この一瞬を相手に耐えきられると、問題が起こるのだ。
(それでも戦うか)
そう決めた兵は、一気に相手に近づいた。
しかし、相手は何も動かなかった。
(なんだ?反応できていないのか?そんなレベルの敵じゃなかった気がするんだけど…)
しかし、そんなこと気にしているほど、時間の余裕がないので、そのまま、切り上げた。
しかし、その瞬間、相手も動いた。
「ケン」
相手がそういうと、完全な死角から、剣が飛んできた。
それは、彼がさっきまで持っていた剣だったが、剣が飛んできた以上に不思議なことがあった。
(なんで剣が増えてんだよ!)
そう、実際、脱走犯の手には剣がしっかりと握られている。
しかし、まったく別の場所の所から同じ県が飛んできたのだ。
このまま行けば、確実に斬れる。
しかし、それでは脱走犯に致命傷は与えられず、ただダメージを与えるだけだ。
しかし、この状況で自分が回避に動かなければ自分は確実に致命傷になるダメージを食らう。
つまり、メリットとデメリットで圧倒的にデメリットのほうが大きいのだ。
(これはさすがに回避を…!)
そう思った彼は、回避をしようとしたが、それでも少しだけ剣先が当たってしまった。
(はぁ、こちらが体の限界を超えて戦っているというのに、相手よりもまだ劣っているのか。)
実際には、そこまでの身体能力差はないのだろうが、それでも、武器や防具の差が出ているのだ。
(これは…守りに出るか。)
そこからは、基本的に自分からは攻めずに、相手の攻めてきたときにだけ回避をするようになった。
しかし、基本的に相手は遠距離攻撃しかしてこない。
それに、生み出した剣は、自動で消えていく。
そして
(そろそろ体の限界が近づいてきているな。)
しかし、もう、部屋の近くに仲間の兵が来ている。
だからこそ、最後のあがきをすることにしたのだった。
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