第385話アニータの今後について
それから、しばらく待っていると、彼女たちが帰ってきた。
「あれ?アインさん。帰ってきていたのですか?」
「ああ、さっき帰ってきたばっかりだけどね。」
「そうだったのですか・・・」
最初に話しかけてきたのは、アニータのほうだった。
「しかし、いきなりですね。」
「まぁ、いきなり入ってきた用事がいきなり終わったからね。」
「まぁ、帰ってきてくれたのはよかったです。
これから何をするかを、アインさん抜きで決めるわけにもいかずに、大きなことができていませんでしたから。」
「そうだったんだ…僕のことはあまり気にしないでやっててもらっててもよかったんだけど。」
「それでも、何も言わないで出て行ったので、正直不安だったのですよ。」
「それはすまないことをした。謝るよ。
そして、僕のほうからも質問があるんだけど、良い?」
「誰に?」
「アニータに。」
そういうと、アニータは何について聞かれるのかがわからないので、不思議な顔をしていた。
「いいわよ。それで、何が聞きたいの?」
「まぁ、もともと、アニータが仲間になったのって、教会を倒すためでしょ?」
「そうだね。」
「その教会が倒された今、どうしていくのかなって。
このまま、僕たちの仲間として冒険を続けていくのか、それとも普通の生活に戻って平和な暮らしをしていくのかどっちにするかを聞きたくてね。」
アインがそういうと、アニータは呆れたような顔をしてアインにこう言い放った。
「はぁ~。アインさんはこんなに冒険をしてきた私に抜けろと言っているのですか?」
「ち、違うよ!ただ、平穏な暮らしに戻るのか気になってね。」
「今更私が抜けるわけがないでしょ。
それに、救いたかった妹もダメだったし。」
そういったアニータの表情は少し暗くなってしまった。
(…この話はまずかったな。)
教会戦の後、4人はアニータの妹を探したのだったが、教会の地下にあった、改造施設の中で、すでに死んでいる実験体だった数人の子供が発見され、その中にもアニータの妹がいた。
「まぁ、そういうことだから、抜けないわよ。」
「そうか・・・よかった。」
「そんなことより、自分の身にあったことを話してくれないのか?」
アインがそんな話をして、時間を使ってしまっていたので、シオドーラが、そういって、話を進めようとしてくれた。
「そうだね。こんな話続けてても意味ないし、僕のほうの話もしようか。
そこまで面白い話ではないけどね。」
しかし、アインが本当の話をするわけがなかった。
アインはほかの3人にはどこかの国のお偉いさんの子供位の認識だろう。
なぜなら、教会戦の時の作戦会議や各国との交渉の場には3人を呼んでいないからだ。
だからこそ、いきなり王とか言われてもふざけていると思われてしまう可能性があったので、アインは国内でも問題を解決するために、英才教育を受けてきた自分のもとにも協力の要請があっただけだと伝えた。
「本当に?」
「本当本当。」
「それじゃあ、あのエリって子は?」
「部下。」
「う~ん。なんか引っかかるんだけど・・・まぁ、わからないことを気にしていてもしょうがないし、良いわ。信じる。」
「それじゃあ、これからやっていくことを考えていこうか。」
こうして、アインは3人とこれから何をしていくのかを相談していくのだった。
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