第361話進入


(本当に…人が…いない…)


アインがそう思うくらい、人がいなかった。


正確には、民間人は街に何人もいるが、大聖堂までの道のりや、それ以外にも、街の中に兵を見かけることが無かったのだった。


その後も、街を占拠して行き、そこにいる民間人に大量の食べ物などを渡して、教会よりも、信頼感を得ていった。


正直、アインも尾どいたことがあった。


それは、教会という、宗教的な、つまり、心の奥底から信仰しているものが、食べ物をあげるだけでころっと、心変わりしてしまうことだった。


(今まで占拠してきた国の中で、一番団結度が無いな…)


結果、アインの兵に抵抗をしようと思う人もいなく、大聖堂まで簡単に着いてしまったのだった。


「皆!気を引き締めろ!

中には大神官や教皇の護衛として、この国の中で一番強い兵がいるだろう。

だからこそ、皆で協力して戦うのだ!」


今回の、アインの兵の隊長を勤めている人が、今まで戦ってこなかった兵に対して、油断をしないように、そう言い聞かせた。


そして、その1つの隊は大聖堂の中に入っていった。


中には、煌びやかな装飾がされており、人も殆どいなかった。


結果としては、兵をさえぎるものもいなく、簡単に内部に入っていくことが出来た。


しかし、ある程度行ったときに、ある集団が出てきた。


「我ら、大神官におつかえするもの!神にあだ名す愚か者に裁きの力を!」


そんな事を言うと、彼らは魔法の詠唱を始めた。


しかし、使おうとしている魔法は確かに強いが、それに引き換え、詠唱はすごく遅かった。


「彼らが長い詠唱を開始した!

何故、敵を前にしてそんな事をするのかは分からないが、それでもこれはチャンスだ!

各自、ある程度弱くても良い。

とにかく早く発動する魔法を大量に打ち込むんだ!」


隊長がそう言うと、隊のみんなは弱い魔法ながらも、早く発動が出来、しかも、いくつも発動できる魔法を教会の隊に向かって打ち始めた。


その結果、彼らは詠唱を止め、その上で魔法を防がなくてはいけなかった。


しかし、あれだけ強化されたアインの兵の、大量の魔法というと、本当に大量で、教会の兵が張っていた防御壁は簡単に壊れていった。


その結果、防御壁の隙間から行った魔法によって、部隊の中でも負傷者が出始め、教会の兵はどんどんやられていった。


「皆!敵はすでに弱っている!

ここを攻めるぞ!」


隊長がそういうと、アインの兵たちは、魔法を打つのを辞めて、自分たちで空間魔法を使って、剣など、近接武器を取り出し、一斉に走っていった。


もはや、この進撃をとめられるものは教会内はおらず、簡単に教皇や大神官のいる場所についてしまったのだった。


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