第270話世界会議


その後、アインは、前から言っていたように、元の大陸に帰る準備をし始めた。


「アイン様、それでは、こちらの大陸での仕事も後1つですね。」


「そうだね。」


アインに残っている仕事とは、この大陸をどうやって分けるのかだった。


元々、属国だった場所には何もしないが、支配下においている国を解放するわけにも行かなく、アインはこちらの大陸に、何回も来れる訳ではないので、この大陸の支配下においた国をいくつかに分けて、自分の部下に国を作らせ、治めようとしていた。


「まぁ、僕の国の貴族だって言う、言い方も出来るけど、貴族にしては、領土が大きすぎるし、国で良いでしょ。」


そしてアインは、本国から、内政が得意な部下と、その2倍の数の力のある兵を呼んだ。


「これはどうやって分けるのですか?」


「この大陸の、支配下に置いた場所を、さっき呼んだ、内政関係が得意な人の数で割るんだよ。」


「なるほど、しかし、さっき呼んだ人数では、1つ1つの国が大きくなりませんか?」


「確かに大きいね。まぁ、それでも、僕たちの本国の方の大陸の国よりは多くなると思うよ。」


「まぁ、属国だけでも、元の大陸の国よりは多いですから。」


アインが、今回呼んだ内政関係が得意な部下は20人。そして、1人で、国を1つ相手に出来る兵は40人呼んでいるので、大陸の余っている土地は20分割されることになった。


最初に目をつけた大陸は、今は100個の国で出来て居る。そのため、単純計算で、属国を除いても、最初に目をつけた国々の4倍くらいの国土があるのだった。


「まぁ、得意じゃない人に任せて、国をおかしくされても困りますしね。」


「そういうこと、それじゃあ、今から分けようか。」


そしてアインは、ちゃんと、その土地にある資源の量もできるだけ一緒になるように考えて、何とか20分割できた。


「よし、後はこれをあいつらに渡して、どの土地にしたいか聞くだけだ。」


「そうですね。それでは早速聞いてきましょう。」


そして、アインは部下の意思を聞いて、ちゃんと皆が納得できるまで話し合って、国を決めることが出来た。


「よし、それじゃあ、僕は帰るけど、がんばってね。」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!全てはアイン様のために!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


こういわれて、アインは、本国に帰ってきた。


「ふ~。やっと帰ってこれた。」


「確かに、今回は長かったですね。」


「まぁ、こんなに疲れたのはセノヴァのせいだろうけど…」


「確かに、今までの中では一番強かったですね。」


「まぁ、1つの世界に1人居るか居ないか位だけどね。」


「確かに。」


「それよりも、今回は長いこと学校を休んじゃったな…」


「アイン様に聞きたいのですが、行く必要ってありますか?」


「何で?」


「アイン様は、もうあの国の国民ではないですし、それに、あの学校で学んだことと全然違い内政の仕方をしていますよね?だったら、あの学校で学ぶことは無いんじゃないのかと…」


「た、確かに…今から、変えようかな…」


「変えるとは?」


「ああ、冒険科にだけ行こうかなって。」


「まぁ、それはアイン様が決めてください。しかし、こっから先も忙しいですよ?」


「あれ?何があるっけ?」


「世界会議があります。まぁ、絶対に出る必要も無いのですけど。」


「どんな会議だったっけ?」


「この世界の、トップ20国が会合して会議する場です。」


「ああ、有ったね。そんなの。」


「アイン様は条件を満たしていますから。」


「何位なの?」


「それは、教えてもらえません。会議で、上位のものが下位のものに無理をさせないために。」


「それじゃあ、そこの開催者だけが知っているんだ…」


「ええ、あの人は、お金があって、会場を貸してくれるだけで、どの国にも属していませんから。」


「それなら安心だね。」


そして、アインの次の舞台が決まった。


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